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交渉力

交渉力

交渉力はビジネスだけでなく
あらゆる人間関係に役立つ!
交渉にまつわる誤解と
交渉スキルの鍛え方

交渉とは、ビジネス、政治、法律、人間関係などのさまざまな場面で、異なる利害を持つ人々や団体が、お互いの利益を最大化することを目的として話し合う創造的・知的な活動です。
よい交渉結果は、相手との長期的な信頼関係や協力関係を築くこともできます。
ここでは、交渉にまつわる誤解と交渉の本質・原則を解説し、優れた交渉とは何か、そして交渉力を身につける方法を紹介します。

1. 交渉とは、交渉力とは

「交渉」とは、何らかの利害関係が生じている当事者同士が合意に達するために何かを議論することです。特にビジネスや政治でのイメージが強いですが、家族間においても交渉する場面は多々あります。
交渉の目的は、お互いが納得して受け入れられる条件を検討し、それぞれに利益を得られる関係を成立させることです。そのためには、コミュニケーションスキルや論理的思考力、情報収集力などさまざまな能力、すなわち交渉力が必要です。

2. 交渉にまつわる3つの誤解

誤解その1交渉は経験を積まないと上達しない

交渉スキルを磨くには「経験を積むしかない」「とにかく場数を踏め」といった印象が強く持たれています。しかし、実際は経験だけに頼った習得方法には落とし穴があります。それは「経験を超えることはできない」ということです。具合的には

交渉スタイルがワンパターンになる

経験を積むと、その人が過去の「成功」から導き出さした交渉スタイルがつくられるようになります。すると、誰に対しても同じスタイルで臨むワンパターンに陥ってしまいます。

不意打ちに対応できない

過去に経験したことのない状況や、初めての交渉相手がさまざまな交渉テクニックを繰り出してきた場合、冷静な判断ができなくなります。

振り返ってみると、成功した交渉場面の大半は「そもそも自分の立場の方が強かった」のではないでしょうか。しかし交渉の悩みのほとんどは自分の立場の方が弱い状況です。残念ながら、限られた成功体験から悩みに応えられる知見を引き出すことは難しいのです。

誤解その2交渉は出たとこ勝負である

交渉は想定した通りに交渉が進むはずはないので「準備に意味はない」、そしてその場の「臨機応変な対応が結果を決める」と思われがちです。
確かに現場の対応力は大切です。しかし臨機応変な対応だけに頼るということは、「対応力のある人に頼る」ことになり、組織全体で知見を共有することや、社員のスキルの底上げはできません。

そして、出たとこ勝負は複雑な交渉に対応できません。当事者が3者以上いる場合など複雑な交渉場面では、事前の情報収集や状況の整理、相手の打ち手を想定した選択肢をより多く準備しておかなければ、交渉相手に一方的に主導権を握られてしまいます。

事前に準備を行ことの最大のメリットは、相手がどのように交渉してきても、すべて想定の範囲内に収められることです。交渉を相手の交渉場面では余裕をもって冷静に対応でき、よりよい結果を得られることになります。

誤解その3交渉は勝ち負けである

交渉は「勝ち負け(Win-Lose)」である。自分の要求を相手より多く通した場合は「勝ち」、相手の要求を多く呑んだ場合は「負け」、と二分法で考えたことはありませんか。多くの現実はその通りです。しかし、交渉は勝つことが大事だと考えてしまうと、「木を見て森を見ず」つまりその場の駆け引きに終始しWin-Loseの交渉から抜け出せません。

交渉とは、相手に自分の要求をどれだけ受け入れさせるかではなく、双方の利益を最大化する、新しい価値を生み出す創造的なやりとりです。お互いが利益を得られるWin-Winの交渉は、相手から信頼され、長期的な関係を築くことができます。

3. よりよい結果を導く交渉の3原則

原則 1論理的思考

交渉の現場で論理が通用するのか、と疑問に思う方もいるでしょう。しかし、交渉の目的は何か、その目的を阻む問題点は何か、その問題はどのように解決できるかを、より客観的に明確にするために論理的思考力は欠かせません。
とはいえ、交渉の現場では一般的な論理が通じない場面も出てきます。
交渉における論理とは相手が考える論理です。交渉相手は何が正しくて何が正しくないと考えているのかを理解するためにも論理的思考力が重要になるのです。

原則 2事前準備

では相手の論理はどうやってつかめるのでしょうか。問題は相手が何を考え、どう出てくるか、何を隠しているかもわからないのです。
交渉における準備とは、自分の状況を適切に伝え、相手の状況を引き出すための質問を準備することです。都合の悪いことを聞かれた場合の適切な回答であり、相手の状況、本音を引き出すコミュニケーションの準備です。

事前準備をしても、たとえばビジネスの交渉では「価格」に終始してしまうことが少なくありません。開口一番に「結局のところお幾らですか」と聞かれ、値引きを要求されたり、門前払いされたりした経験は多くの人にあるのではないでしょうか。
このような状況を避ける手掛かりも事前準備にあります。価格だけでは比較できないメリットを多く準備しておくことで、交渉のスケールを拡大し、利益を大きくするチャンスが得られます。

原則 3創造的選択肢

優れた交渉とは、お互いが要求をぶつけ合って落としどころを探すことではありません。そもそも交渉の目的は合意ではなく、合意した先にある利益です。「シェアを拡大する」「ビジネスパートナーとして良好な関係を築く」など、合意後にお互いが利益を最大化するにはどうすればよいかを話し合う手段が交渉なのです。
そのための選択肢はやはり事前に多く準備しておくことが大切です。そして現場のコミュニケーションで交渉相手から引き出し、さらには相手を巻き込んで一緒に考えることができるようになれば、これこそが新しい価値を生み出す創造的な交渉なのです。

4. 学問としての交渉 
-交渉学-

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