夕学レポート
2008年10月01日
第16回 12/9(火) 池田清彦さん
第16回(12/9)の講師は、早稲田大教授の池田清彦先生です。
理論生物学、生命の形式についての研究、昆虫の生態学と分類学を専門とする池田先生ですが、近年は環境問題についても積極的に発言をされています。
特に、「二酸化炭素増大による地球温暖化論」には、舌鋒鋭く、その信憑性に疑問を呈しています。
その理由は、本来喫緊の課題として議論されるべき問題(エネルギー枯渇、食糧危機等)を二の次にして、地球温暖化対策にばかり目が向いている(予算が振り分けられている)現状への問題意識があるようです。
米国のような浪費大国ならいざしらず、すでに省エネ技術が確立し、CO2排出量削減の点ではダントツの優等生である日本は、地球温暖化のために、わずかな削減目標を掲げ、多大なコストを投入するよりも、資源エネルギーの枯渇問題や食糧など、目の前に破綻が見えている危機に注力を注がねばならないとする主張です。
確かに、我々の環境意識は、ブームや情緒に流されている傾向があることは事実です。真面目であることは結構ですが、まずは何が問題なのかを見極める冷徹さも必要ではないでしょうか。
池田先生のお話から、そんなことを考えられたらと思います。
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