夕学レポート
2012年09月27日
第24回 1/25(金) 與那覇潤さん
第24回 1/25(金)は愛知県立大学准教授の與那覇潤先生です。
與那覇先生は、日本近代史を専門とする若き歴史学者で、『中国化する日本』という本でスケールの大きな歴史観を展開され、話題になりました。
明治維新以降、日本は西洋流の近代化(富国強兵と殖産興業)を積極的に押し進めた。急ぐあまりに制御不能に陥り、軍国主義の台頭を許し、昭和日本の破滅を招いてしまった。戦後は形を変えた近代化(民主主義、自由経済)に邁進し、大きな飛躍を遂げたが、いつしかグローバル化に追いつけなくなり、その繁栄は終わりつつある…。
というのがステレオタイプの近代日本のイメージだとすれば、與那覇先生の歴史観は、まったく異なるものです。
明治日本が歩んだ道は、西洋流の近代化ではなく、千年前の宋朝中国が確立した「中国化」の道であった。
いま、世界で進行しつつグローバル化とは、実は「中国化」そのものである。
という歴史観です。
與那覇先生のいう「中国化」とは、
「経済や社会を徹底して自由化する一方で、政治の秩序は一極支配によって強権的に維持支配する」という社会のしくみのことです。
この中国化というフレームワークを日本と世界の近現代史にあてはめてみると、近代化の優等生といわれていたはずの日本の衰退・停滞と現代中国の台頭が説明できる、と與那覇先生は言います。
與那覇先生の講義を通して、「アジア独自の近代化」がどのような可能性と罠を持つのか考えてみたいと思います。
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