夕学レポート
2010年03月19日
6/10(木) 中西進さん 「やまとごころを問う」
第13回 6/10(木)の講師は、奈良万葉文化館館長の中西進先生です。
「万葉集」の研究と普及に取り組んできた中西先生。80歳を越えた今も、朝日新聞に「万葉こども塾」という連載を持っています。
子ども向けに万葉集を分かり易く解説するという企画ですが、なかなかどうして、むしろ大人にお奨めしたいコーナーです。私も必ず目を通しています。
ちなみ本日(3/19)の連載では、春をテーマにした歌が紹介されています。
うちのぼる 佐保の川原(かわら)の 青柳は 今は春べと なりにけるかも
(大伴坂上郎女)
雪解け水が流れ、まだ肌寒い川辺にあって、凜とした存在感とともに春を告げるネコヤナギの情景を思い浮かべることが出来る子どもが、いったいどれ位いるのか。ちょっと不安になりますが、信州の田舎で育った私には、春を実感できる歌だと思いました。
さて、今回の演題は「やまとごころを問う」でお願いしました。
しきしまのやまと心を人とはば、朝日ににほふやまざくらばな
(本居宣長)
万葉集ではありませんが、あまりに有名なこの歌をモチーフにしてお願いをしたものです。
中西先生は講演主旨について、次のように書いています。
つきつめたところ、日本人の心には3つの特徴がある。
(1)バランス感覚 (2)センスのよさ (3)進取の気性
また、アジア文化の中における日本の文化力は感傷力だといえる。
これは、インドの想像力、中国の論理力に対応するものであり、アジア文化の完成だといえる。
アジア文化の中で日本の位相を明らかにすることで、日本らしさが浮かび上がってくるということでしょうか。
日本とは何か、日本文化とは何かを考えたい人には、是非聴いていただきたい講演です。
この講演にご関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
・4/22(木)莫 邦富 「中国から見た日本、日本から見た中国」
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