KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

2014年12月09日

みんな大好きTJの秘密(前編)

寺尾美香

トレーダージョーズ(通称:トレジョ/TJ)
アメリカ在住の人ならとても親しみあるこの名前、こちらに来たばかりの頃、友人に「知ってる?」と聞かれても私は相当ぽかんとしていました。
誰?サメ?ピザ屋?女子校?
「おもしろいスーパーだよ」と聞いても当時はまだなんだかよくわからずにいました。
私にとってスーパーといえば、東京で働いていた頃は特に、ネイルサロンや美容室のように「行くのが楽しみ」な場所ではなかったから、かもしれません。子供を抱えながら卵や牛乳やバナナなんかを全速力でカゴに放り込み、買い物袋をママチャリに突っ込んだなら一目散に退散する、滞在時間は短ければ短いほどありがたい、そんなところだったように思います。

当時(今も)主婦力の低い私は、買い物なんて近所のスーパーでちゃちゃっと済ませればいいと思ってしまう方ですが、友達の会話に頻出するこの「トレジョ」はどうもただのスーパーではないようなのです。
「安いし、美味しいんだよね。」
「オーガニックだから安心だし」
「もう他にはあんまり行く気しないわ」
「行った事ないの?楽しいよ!」
などなど、お母さんたちの心をガッチリ掴んでいます。

よーし、そこまでみんなが言うならと「混むから午前中早めに行った方がいい」というアドバイスに忠実に、早起きして電車を乗り継いでスーパーに行く、という人生初の体験をしてみました。

入り口は意外に小さく「おや?ここ?」という第一印象。コストコとか、ウォールマートとか、アメリカのスーパーって、ものすごく広くて大きいイメージがありましたが、マンハッタンだからなのかとても小さく、こぢんまりしています。
でも、開店間もなくにも関わらず、レジに並ぶ長蛇の人の列と、カートを押す買い物客ですでにお店の中はごった返している様子。何度も人にぶつかりそうになり「Excuse me」と「Sorry」を繰り返しながら、狭い店内、カートに子供を乗せてキョロキョロしたり、行ったり来たりすること約1時間半。(スーパー滞在時間新記録か)
やはりここは、これまでのスーパーの概念がちょっと変わる、なかなか面白いお店のようです。

まず、ビジュアルで楽しい。

商品のパッケージやデザイン、エコバックや値札さえも可愛くておしゃれ。壁のイラストや商品のボードもカラフルでおもしろく、見ていて飽きません。ハワイアン?カリビアン?よくわからないけど、遊び心いっぱいで、どこかちょっとディズニーランドみたい。

そして、うわさ通り、安い。

ついついあれもこれも買い込んでしまい、気付いたらレジで大きな紙袋3個分にもなっていました。物価の高いニューヨーク、これは$100(約1万円)近くいくな、と覚悟してたら、まさかの$60ちょっと!普段行く近所のスーパーの半分の値段です。

最後に、これが一番大事。美味しい!


Non-GMO(遺伝子組み換えなし)というトウモロコシ、甘い。冷凍食品でも、いい意味で期待を裏切られる、ちょっとびっくりするくらい美味しいものもありました。
アメリカの食品は危険だと散々聞かされ、それまで化学薬品や農薬の心配をしながらビクビク買い物していたことを思うと、商品の多くがNon-GMO、オーガニック、というのも子を持つ母としては非常に嬉しい。
安全で、安くて、美味しい!ときた。しかも、サービスもよくて楽しい気分になれる。

これは、、、、行くな。電車に乗ってでも、帰りタクシー使ってでも行っちゃうな。他のお店に行けなくなるっていうのもわかる。
と、たった1回の買い物体験で完全にファンになってしまったのでした。
うーん、すごい。これはもはやスーパーのイノベーション
と言っても過言ではないかもしれません。
(後編へ続く)

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