2016年01月12日
マンハッタンで学校に行く(1)
コツコツ準備を進めてきたPre-K (公立幼稚園/Pre-Kindergartenの略)の入学準備ですが、その後、無事に市からオファーが届きました。
しかしながら第4希望。微妙、、、、
“Pre-K Center”?
聞いたことない・・・・
いくら公立は授業料がかからないとはいえ、教育の質が悪ければ行かせる意味がありません。とはいえ、高額な私立幼稚園の現状を考えるとぜひともうちは公立に通わせたい。
公立幼稚園Pre-Kはこれまで席数に限りがあり、ほんの一握りの子供のためだけのものでしたが、今年はそれが飛躍的に改善されニューヨーク市の変革は全米中で大変な話題となりました。市は昨年から2カ年計画で “Pre-K for All” (全ての4歳児にPre-Kを)というスローガンを掲げ政策を推し進め、2年目の今年は既存の小学校に席だけ増やしてもまだ補いきれない分を新たな受け皿を作ることで待機児童の解消に成功。その受け皿のひとつが娘が通うことになった “Pre-K Center” です。
これがなかなかすごくて、娘の通うところは2年前にできた新しい小学校の空き教室を利用し、ワンフロア丸々だだーっと間借りする形で10クラス180人分の席を用意。この規模のPre-K Centerが市内に6校新設されました。
この潔さといったら!さすがです。
校舎をシェアするという柔らかい発想!マンハッタンの学校ではよくあることで驚くことではないのですが、とても新鮮に感じます。もうひとつ、要の施策として私立幼稚園の中に授業料を一部または全額免除する大胆なプログラムも用意しました。
かたや数百万、かたや無料・・・
やっぱりすごく不公平な気がしますが、実現にむけてあらゆる手を尽くす。問題が解決するなら多少の不便や不公平には目を瞑る・・・アメリカという国の寛容性を感じるのはこんな時です。
最終的に、受け入れ先は昨年より400カ所増え1,850カ所に。先生たちにも1人あたり$3,000前後のボーナスを付与して確保に取り組むなど、絵に描いた餅にしないための具体策を次々に打ち出しました。
結果、約7万人、昨年比3割増、2年前の3倍の数の4歳児がめでたく幼稚園に通えるようになり、我が家の娘もその恩恵にあやかることができたというわけです。
そんな歴史的な年の当事者となった娘のPre-K Centerでの新しい学校生活がいよいよ始まりました。
(続く)
Back to School NYC デブラシオ市長が登場するこちらの動画もなかなか素敵です。 |
- 寺尾 美香(てらお・みか)
- 慶應丸の内シティキャンパスで4年9カ月間ラーニングファシリテーターとして多くのプログラムを担当。2014年4月よりNY在住。
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