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ファカルティズ・コラム

2009年07月17日

論理的な投票行動とは?

東京都議選を受けて、いよいよ衆院解散、総選挙も近づいてきました。
また、選挙戦を睨んだ党内のゴタゴタも連日新聞を賑わせています。
麻生首相は「8月18日公示-30日投開票」を示唆しましが、さて、みなさんはどの政党に、そしてどの候補に投票しようとお考えですか?
ひょっとすると、「なんとなく今回は流れ的に民主」とか、「元々自民支持だから自民」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん誰に投票しようが、またどこの政党を支持しようがそれは個人の自由ですから、そうした考えを「間違っている」というつもりはありません。
ですが、せっかくの機会ですからもう少し「考えて」投票してみませんか?
特に今回は政権交代も完全に視野に入った状況ですから、より一層慎重に『清き一票』を投じるべきだと思うのです。
ということで、今回はこのブログらしく「論理的に投票する政党と候補者を選ぶ」にはどうしたらよいかを考えてみたいと思います。
特に、「どうやって選んだらよいかわからないない」という方の参考になれば幸いです。

さて、まず最初に自分が首相になったと仮定してみましょう。
そしてこの日本をどのような国にしたいか、具体的に考えてください。
決して「うつくしい国」とか抽象的になってはいけません(笑)
誰がどのように暮らせる国であってほしいのか、主語・述語・目的語を明確にして考えましょう。
次に、そういう国にするためには何をどうすべきかを「分けて」考えてください。
大まかに「政治」「経済」「生活」「外交」に分けても良いでしょう。「生活」であれば、さらに「教育」「福祉・医療」や「衣・食・住」などに分けることもできるはずです。
こうして自分が重要だと考えるイシュー(論点)を洗い出し、それに対して自分なりの意見を考えるのです。
人の意見に左右される必要はありません。自分固有の価値観に照らし合わせて自分の意見を整理してください。
このプロセスで自分なりの意見を考えたら、それが政治家の頂点である日本国首相としてのあなたの政策です。
いかがでしょう。たぶんすぐにでも立候補できるくらいの『あなたなりのマニュフェスト』ができているはずです。
ここまでやれば、次にやるべきことはおわかりでしょう。
そう、各党のマニフェストや各候補の掲げる政策・公約と、『首相としてのあなたの政策』とを比較するのです。
あなたの意見に近い政党は? そして候補者は誰か?
もしいなかったら白紙投票というのもひとつの選択肢でしょう。これもまた「誰も認めない」という意思表示だからです。
そして近い政党や候補者がいれば、そこに投票すればよいのです。
なぜならば、その政党や候補者はあなたの意見を代弁していることになるからであり、これこそが「国民の代表を選ぶ」という行為のはずです。
我が国の政策は族議員などという言葉からも分かるとおり、ある特定の層・団体に有利だと言われています。
しかしこれは何もおかしくありません。それは単に族議員がその団体の意見と同じ意見を持っている「代表者・代弁者」であり、そしてその代表者に投票する人が多いというだけのこと。
また、我が国の政策は高齢者に手厚く、若者には手薄だとよく言われますが、これもまた、政治家自身が高齢者が多く、かつ高齢者の方が投票に行くからに過ぎないとも言えます。
これもまた国民の“代表者”のひとつの姿であり、民主主義の現実です。
自分の意志を示さずに、「不公平だ」と政策に文句ばかり言っても何も変わらないのはアタリマエですし、極論すれば卑怯であるとすら思います。
自分の声を届けるために仲間を募り、能動的に政治に対して働きかけている人たちもたくさんいるのですから。
とはいえ、多くの方は「そんなことやっていられない」というのもまた現実です。
であれば誰でもできることは?
そう、上記のプロセスで「自分の代弁をしてくれそうな候補者と政党に投票する」ということは、少なくとも誰でもできるはずです。
別に全ての論点を網羅する必要はありません。
自分の関心ある分野だけで構わないのです。
文句を言う前に代表者・代弁者を探しましょう。
そして自分の意見に近い人と政党を選びましょう。

多くの方が自分の頭で論理的に考え、投票して意思表示すれば、間違いなくこの国は変わると思うのです。

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