2015年12月25日
ルールは手段でしかない
メリークリスマス!(⌒∇⌒)
皆さん、昨夜は楽しいクリスマスイブでしたか?
ちゃんとサンタさんは来ましたか? おいしいディナーを楽しみましたか?
私は…
いつもの1日でした(笑)
ムスメも塾のバイトで夕食も各自バラバラ。
まあ、ムスメはバイトの後で、バイト仲間とケンタッキーのチキンを食べたようですが。
さて、話は変わって先日のこと。
友人がオフィスを尋ねてくれたので、一緒にランチに出掛けました。
一軒の店に入り、私はプリフィクスのランチを、友人は既に食事は済ませていたので、お茶だけを頼もうとしたところ、店員さんが言いました。
「すいません。この時間、お飲み物だけはちょっと…」
「え? 僕だけが食事頼むのではダメなの?」
「はい。申し訳ございません」
要するに、「ひとり一品の食事を頼め」ということのようです。
しかしその店、ランチはドリンク付きで最低1500円、ドリンクのみだと700円。その差は800円です。
つまりお店としては、「3000円じゃないとダメ」と言って、2200円の顧客を捨てようとしているわけです。
だから僕はこう続けました。
「じゃあ、僕がこっちの2500円のランチにするよ」
しかし店員さんはこう言いました。
「申し訳ありません。お一人様一品とさせていただいておりまして…」
私たちはその店を出ました。
私の提案は、「2人で1500×2の3000円が最低ラインなら、2500+700の3200円ならいいでしょ?」だったわけですが、それでも「ルールだからダメ」ということのようです。
その店には3500円のランチもありましたから、仮に3人でその店に訪れ、2人が3500円のランチを頼み、1人だけお茶だけを頼めば、売上高は7700円、3人全員が1500円のランチを頼んだときの4500円を、3200円も上回ることになります。
しかしそれでも店員さんは、「ルールですから」と言うのでしょう。
これを機会損失と言わずして、何と言えばいいのでしょう。呆れてモノも言えないとはこのことです。
私は別にその店に対して怒っているのではありません。あまりの頭の悪さに対して、いくばくかの嘲笑とともに、残念に感じているだけです。
そもそも、「一人一品」というルールは何のためにあるのでしょう?
考えるまでもなく、それは「客単価を上げる」ためです。
かき入れ時のランチタイムに、お茶だけの単価の低い客を排除し、売上高を最大化するために、こうしたルールは存在します。
だから私は、このルール自体にも異論を唱えるつもりはまったくありません。
客が店を選ぶだけでなく、店が客を選ぶのも当然の権利。
「2時間入れ替え制」なども、反対の「回転を上げて客数を増やす」というロジックです。
しかしこの店は、「客単価を上げる」ためのルールを厳密に適用しようとして、機会損失のみならず、反対に「客単価の高い客を排除した」わけです。
私が店員であれば、「じゃあ僕が2500円の~」という提案に対し、ちょっと悩むふりをした後、その提案を受け入れます。だってその方が店として得ですから。
では、これを一般化して考えてみましょう。
すべてのルールには目的があります。
この店のルールは、「客単価を上げる」ことがその目的でした。
「法律」というルールにしても、「犯罪の防止」や「産業振興」、そして「権利の保護」や「弱者救済」など、様々な目的があります。
私たち日本人の不文律とも言える「電車は並んで待つ」も、「事故の防止」や「停車時間の平準化」という目的があります。
ルールとは、明文化されたものだけはありません。
業界や組織内の慣習や常識なども、ひとつのルールです。
よっと重要なのは「ルールそのもの」ではなく、その目的、つまり「そもそも何のためにこのルールがつくられたのか」です。
ルールとは、目的に対する手段でしかないのです。
しかし、しばしば私たちはこの「ルールを守ること」自体を目的化してしまいます。
「ルールはルールだから」を言い訳にして。
「いや、どんな時にもルールを守ることで社会の秩序は保たれる」という意見もあるでしょう。
じゃあ、とうに終電も過ぎた午前3時の踏切、まわりには人もクルマもまったくいない。
この環境で、踏切で一時停止しないことのどこに「秩序を乱す」要因があるのでしょう?
先のお店も、この「ルールを守ること」自体を目的化したがために、本来の目的に反する結果を生んでしまったわけです。
もちろん「ルールを守る」のは基本です。
しかし、忘れてはならないのはその目的。もし、ルールを守ることが本来の目的に反してしまう場面に直面したら、少なくとも「どうしよう?」と考えるべきなのです。
自分の頭で。
さて、あなたの仕事・生活には、どんなルールがありますか?
そして、その本来の目的はなんですか?
さらに、そのルールを「あえて破った方が目的に合致する」のは、どのようなシチュエーションでしょうか?
こんなことを年末に考えてみるのも、なかなか意味のあることだと思いませんか?(笑)
では、よいお年をお迎えください。
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