ファカルティズ・コラム
2016年05月26日
「裸の王様」にならない、しないために
最初に言っておきます。
本日は「毒」多めです(笑)
「人情」や「気持ち」を重視される人にとっては、少なからず反発を覚えるエントリーになるかもしれません。
「余計なお世話だ」と感じる方もいるでしょう。
それでも言っておく必要があると思いました。
「自分は一生懸命やっているのに、周りがわかってくれない」
という「もったいない」人々に。そして、
「あなたは悪くない。悪いのは周りと運」
という「共感」しか、そうしたもったいない人にしてあげられない人々に。
「裸の王様になりたい、またはしたいのですか?」
「自分には信念がある」
「このやり方を変えるつもりはない」
「自分は正しい、間違っているのは相手」
「考え方が古くて、やってられない」
あなたはこんな言葉を友人に言った、あるいは誰かの発言として聞いたことはありませんか?
私は…あります(笑)
いやあ、私も若かった。青かったものです。
しかし、生意気盛りな若者ならいざ知らず、相応の経験を積んできた人の中にも、こうした発言を繰り返す人がいます。
本当にもったいない。
もちろん、どんな考えを持とうが、それは本人の自由です。
しかし、こうした「もったいない人」に私は問いたい。
「あなたが大事なのは自分のプライドなのか? それとも実現したい成果なのか?」
速攻で「プライドだ」と言えるのなら、私から言うことは何もありません。
「ああ、ただの自分大好き勘違い人間なのか」と判断し、距離を置くだけです。
あ、念のため言っておきますが、上記のセリフを吐いても何も問題のない人もいます。
その背景が、プライドであれ成果であれ。
それは、「圧倒的な実力がある人」です。
多少ワガママ言おうが、誰にも負けない圧倒的な実力さえあれば、信念を持ってそのやり方を貫けばいい。
「やってられない」と思っても、別の人や組織が「ぜひウチで!」と言ってきますから、やってられない相手とのつきあいをやめればいいだけです。
本当の王様なら、王様の振る舞いをしても問題ないのです。
しかし、そんな「本当の王様」がどれだけいるでしょう。
それなりの実績は出しているのでしょうが、自己評価だけが高くても、それは結局「裸の王様」でしかありません。
では、「そりゃあ、実現したい成果の方が大事だよ」と返す人は?
そう、それこそが「もったいない人」です。
「本当の王様」ほどではないにしろ、実力はある。だから環境さえ整えば、望む成果は出せるのです。その「成果を出す環境が整っていない」から、愚痴をこぼしてしまうわけですね。
なるほど。
自分は何も変えようとせずに、周りにだけ変われと?
よくそんな理不尽なことが言えますね(笑)
大事なのはプライドじゃなくて成果なんですよね?
だったら多少は自分の感情を犠牲にして、「賢く立ち回る」こともできるはず。
土下座しろとは言いませんが、相手をおだてて気持ちよくさせ、自分の望む環境を整えるのに一役買ってもらおうと、なぜ思わないのでしょう?
「そんなみっともないことはできない」と思うのであれば、それは結局、成果よりプライドの方を優先していることになりませんか?
もっと計算尽くで、戦略を立てて、自分がやりたいことをやって成果を出す環境を整える。
賢く、狡猾に。
それのどこに問題が?
もちろん、だからと言って「手段を選ばず」ではダメです。
「狡猾」といっても、コンプライアンスに反したり、誰かを傷つけたり困らせたり、では、ただの「悪い人」ですから(笑)
犠牲にするのは自分のプライドだけ。
それができないのなら…一生「裸の王様」でいるしかありません。
そして、そんな裸の王様を「あなたは悪くない。悪いのは周りと運」と慰める。
そんな人々が、裸の王様を裸のままにしています。
「辛いときにとにかく聞いて、共感してあげる」
その重要性はわかります。
しかし、「共感しただけで終わり」になっていませんか?
そしてそれは、「いい人と思われたい」「嫌われたくない」という自分の感情を優先しているからではありませんか?
【本日のまとめ】
◆自分の「気持ち」と「実現したい成果」、大事なのはどちら?
◆成果が大事なら、プライドだけを犠牲にして、賢く、狡猾に立ち回れば?
◆それができないと、ずっと「裸の王様」ですよ?
◆「裸の王様」は、共感ばかりの友人にも責任が。
私も含め、自分が「裸の王様」になっていないか、そして誰かを「裸の王様」にしていないか。
それを今一度考えた方がいいと思うのです。
某都知事も…(笑)
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