KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

2021年02月25日

スキンケアも仕事も「言葉」に気をつけよう

皆さん、スキンケア、ちゃんとしてますか?
ここを見てるのは所謂「オジサン」と呼ばれる方々が多いと思いますが、「スキンケアなんて適当でいい」と思っていませんか?
しかしオジサンも、いやオジサンだからこそスキンケアにもっと興味を持つべきなのです。
実は男性の肌は女性より水分量が半分程度で皮脂分泌量は3倍、つまり乾きやすくベタつきやすい。さらに毎日のひげ剃りで肌に対するダメージも大きく、スキンケアを適当にするとシミやシワ、タルミが目立つようになります。
これでは60過ぎたら「みっともないジジイ」にまっしぐらです。
だから少なくとも、お風呂上がりと朝の洗顔後またはひげ剃り後の1日2回はしっかりとスキンケアすべきです。(その前の洗顔も重要ですが、ここでは割愛します)
まず化粧水でしっかりと水分補給とダメージ修復、そして乳液やクリームで潤いを閉じ込める。
…と、ここまで書いてきてなんなのですが、本日のメッセージは別にあります(笑)
teigi.jpg






いや、全く無関係というわけではなく、スキンケアはちゃんとやってほしいのですが、それは一例で、真のテーマは「言葉」です。
さて、化粧水の多くは、その使い方がこう記されています。
「適量をお肌になじませます」
なじませる?
これ、皆さんは気になりませんか?
どうやって「なじませる」のか?
そもそも肌がどうなれば「なじんだ」と言えるのか?
このふたつが明確でなくてスキンケアができるのでしょうか。
私はムスメに教わりました。
「なじませる」ためには、単に化粧水を「塗り広げる」のでは意味が無いこと。手のひらや指で化粧水を肌に「押し込む」必要があること。
そして「なじんだ」というのは余分な水分をタオルに吸わせた(こすってはダメ)後、肌を触ってみて弾力があり、モチモチ感があること。理想は少しひんやりしていること。
そう、ちゃんと「なじませ方」と「なじんだ状態」は定義でき、これらを理解していないスキンケアは「あまり意味が無い」のです。
これらを知り、そして実践してから私の肌は変わりました。
以前のような「妙にカサつく」とか「なんかベタつく」というのがなくなり、「加齢だから仕方ない」と思っていたシミを少し薄くなりました。
今スキンケアを「なんとなく」やっている方は、ぜひこれを機会にちゃんとしたスキンケアを始めてください。


さて、この例はスキンケアだけではありません。
私たちの仕事でも、同じように「なんとなく」使われている言葉がたくさんあります。
たとえば「推進する」。
「行政デジタル化の推進」「企業のDX推進」など、様々な分野で使われているこの言葉ですが、「なじませる」と同様どれだけの人が「どうやって推進するのか」「どうなったら推進できたと言えるのか」を具体的に考えているでしょうか。
「どうやって」はまだマシで、政府も企業もそのための具体策を示している例は多いですが、それでもこの「推進する」という「ちゃんとやる感を醸し出す言葉」を使って、単に「頑張ります」という「かけ声レベル」であるものも少なくありません。
より問題なのは後者、「どうなったら推進できたと言えるのか」が、具体的に定義できている例がどれだけあるでしょうか。
「我が社がDXを推進できた」とは、何がどう変わり、何が何パーセント増えた状態のことなのか、つまりKGI(Key Goal Indicator)、達成基準が明確でなければDXは単なる旗印で終わってしまいます。
これは「推進」に限りません。
「活性化」や「充実」、「展開」や「強化」など、なんとなく「ちゃんとやる感を醸し出す言葉」は私たちの周りに溢れています。
もちろんこうした言葉を使ってはいけないわけではありません。
しかし使うのなら、「そのための具体策」と「そうなって状態の定義」とセットでなければならないはずです。
決して「ちゃんとやる感を醸し出す」ために便利に使うべきではないのです。
もっと「言葉」に敏感になる。
それは仕事であれ、スキンケアのような分野であれ、とても重要なことだと思うのです。

メルマガ
登録

メルマガ
登録