KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

2024年04月25日

あなたの「生きる意味」は?

本日は、少々哲学的なテーマです。
とは言えあえてロジカルに、すぐ答の出せない、そして唯一の正解のない問いを投げかけられたときの私の「考え方と答え方」をひとつのサンプルとして提示してみようと思います。

さて、あなたが誰かから「あなたの生きる意味を教えて」と言われたら、あなたはどう考え、答えますか?

私ならこうします。

「まず確認。この場合の『生きる』の範囲は? 具体的に言うと、生物学的な『生きる』なのか、それとも知性体である僕個人の人生を『生きる』なのか」

そこで後者の方、と言われたら次に

「では、人生全体なのか、仕事人生とプライベートの人生とかもう少しブレークダウンして具体的に聞きたいのかどちら?」

ここで仮に前者の方、と返ってきたら

「これで一応『生きる』の定義はできたかな。では『意味』をもう少し具体的に定義して」

このあたりで相手は「面倒くさいなあ、もういいよ」となるかもしれません。
まあ、そうなったらなったで私も面倒くさい相手から解放されてラッキー、かもしれませんが、時には本気で私の考えを聞きたい人もいるでしょう。

誤解していただきたくないのですが、私は決して相手を茶化すつもりも、ましてや馬鹿にしているわけでもないのです。

私は単に「相手が本当に聞きたいことは何なのか」、つまり真のイシューを理解してから答えたいだけです。
抽象的な問いを抽象的なまま考え、答えた結果、相手から「いや、そういうことが聞きたいわけじゃなくて」となれば、それはお互いに時間の無駄であり、それを避けたい。

だから「思考の解像度を上げたい」のです。

では、相手が「『意味』の定義?」と困惑したらどうするか。

「たとえば生きている間に成し遂げたい目標や目的のことか、あるいは様々な場面で自分や周りに提供したい価値なのか、前者は長期的意味で後者は短期的意味ともいえるかな」

と三度目の選択肢を提供します。
こうしてフローチャート的にコミュニケーションを進めることで、イシューがかなり絞り込めますし、相手も考えやすくなります。

相手が前者を選択したら

「なるほど、それに対する答はひとつではないし、経験を積むことで変化するものだけど、現時点での僕の生きる意味として大きいのは『出る杭を増やす』ことかな」

と答えます。
イノベーションやマーケティングの講師としての意味はもちろんのこと、私の娘、そして友人達にも出る杭になってほしいと思うからです。

そして後者が相手のイシューであれば、

「これはどのような場面かで違ってくるけど、あえて言うと『考えることを楽しむ/楽しんでもらう』ことかも」

と答えます。
これまたオフィシャル・プライベート両面で大切にしている「私なりに重視している価値」だからです。

ということで「あなたの生きる意味は?」という問いに対する私としての回答は

・長期的目的としての「生きる意味」なら『出る杭を増やす』こと
・短期的な重視する価値としての「生きる意味」なら『考えることを楽しむ/楽しんでもらう』こと

になります。
もちろん質問者の「生きる意味」の定義が別なら、この答は変わります。

いかがでしょうか。
あなたがこうした思考プロセスで「生きる意味」を考えても良いでしょうし、こうした思考プロセスを「抽象的な質問」に答える際に応用していただければ幸いです。

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