ファカルティズ・コラム
2026年01月06日
2026年のキーワード:AIエージェント
明けましておめでとうございます!
2026年の幕開け、あなたは今年がどのような年になると予想しますか?
私はやはり、「イノベーション」の視点で今年を考えています。
昨年は、テクノロジー業界で「AIエージェント元年」という言葉が飛び交った1年でした。多くの企業がその可能性を模索し、実験を繰り返してきましたが、今年2026年は、それが実験室を飛び出し、私たちのビジネスや生活のあらゆる場面で「当たり前」のインフラとして活用される実働の年になると予想されています。
今年最初のエントリーは、今さら聞けない「生成AIとAIエージェントの違い」から、私たちの未来がどう変わるのかまでを、できるだけわかりやすくまとめてみたいと思います。
<そもそも「生成AI」と「AIエージェント」は何が違うのか?>
「GeminiやChatGPTといった生成AIと、AIエージェントって何が違うの?」という疑問をよく耳にします。
これは一言で言えば、「答えてくれる人」か「動いてくれる人」かの違いです。
生成AIはプロンプトに対して、文章や画像、コードを「生成」します。いわば、非常に博識なコンサルタントであり、先生です。
私たちが「〇〇の資料を作って」と頼むと、素晴らしいドラフトを書いてくれますが、それをメールで送ったり、カレンダーに登録したりするのは、依然として私たちの役目でした。
これに対しAIエージェントは、目標を伝えると、それを達成するための手順を自ら考え、ブラウザやツールを操作して「実行」します。
いわば、自律して動く超優秀な実務担当者です。
「来週の出張予約をしておいて」と言えば、フライトを検索し、予算内のホテルを予約し、その確定メールを関係者に転送するところまで完遂します。
つまり、「思考」の生成AIに、「行動」の能力が備わったものがAIエージェントなのです。
<ビジネスでの活用:2つの具体例>
2026年、ビジネスの現場では以下のような活用が本格化していくでしょう。
1. 営業・マーケティングの「全自動リサーチ&営業」
これまでの営業担当者は、見込み顧客をリストアップし、一社ずつHPを調べ、メールを送るという作業に多くの時間を費やしてきました。
AIエージェントは、ネット上の情報を自ら巡回して最新のニュースや決算情報を分析し、「今、この会社にこの提案をすべき」というタイミングを自動で察知します。そして、適切なタイミングでパーソナライズされた提案メールを送付し、返信があれば会議の設定までを自動で行います。
2. オペレーション・カスタマーサクセスの「自律的解決」
例えば、システムの不具合が発生した際、AIエージェントはエラーログを検知すると、自ら過去の解決策を検索し、修正パッチを当て、完了報告を顧客に送るという一連の流れを人間が介在する前に終わらせてしまいます。人間は「最終的な承認」と「より高度な戦略的判断」に集中できるようになります。
<私たちのビジネスと生活はどう変わる?>
1. ビジネス:スペシャリストから「オーケストレーター」へ
AIエージェントが実務の8割を担うようになると、個人の役割は「作業者」から、複数のAIエージェントを指揮する「指揮者(オーケストレーター)」へと変わります。
「いかに速くメールを打つか」よりも、「AIにどのような目標を与え、全体の成果をどうデザインするか」というディレクション能力が、2026年以降のキャリアの鍵となります。
2. 生活:自分専用の「ライフ・コンシェルジュ」
ビジネスだけでなく、生活にも浸透します。
「今日の冷蔵庫の中身で健康的な献立を作って、足りない食材をネットスーパーで注文しておいて。ついでに週末の子供の習い事の振替手続きもやっといて」 そんな、家事や雑務という「目に見えない労働」をAIが引き受けるようになります。私たちは、家族と過ごす時間や趣味に充てる時間を、物理的に増やすことができるようになるはずです。
<AIエージェントとの付き合い方>
AIエージェントが普及する世界で最も大切なのは、「目的を明確に持つこと」です。
AIエージェントは「やり方」のプロですが、「なぜそれをするのか」という意志は持っていません。
私たち人間が、「自分は何を成し遂げたいのか?」「どんな価値を社会に提供したいのか?」という羅針盤をしっかり持っていることが、AIを最高のアシスタントにする唯一の条件です。
2026年、AIという強力な相棒を味方につけて、新しい1歩を踏み出していきましょう!

桑畑 幸博(くわはた・ゆきひろ)
慶應MCCシニアコンサルタント
慶應MCC担当プログラム
ビジネスセンスを磨くマーケティング基礎
デザイン思考のマーケティング
フレームワーク思考
イノベーション思考
理解と共感を生む説明力
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應MCCでプログラム企画や講師を務める。
また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。
主な著書
『屁理屈に負けない! ――悪意ある言葉から身を守る方法』扶桑社
『映画に学ぶ!ヒーローの問題解決力』日本能率協会マネジメントセンター通信教育教材2020年
『リーダーのための即断即決! 仕事術』明日香出版社
『「モノの言い方」トレーニングコース』日本能率協会マネジメントセンター通信教育教材2017年
『すぐやる、はかどる!超速!!仕事術』日本能率協会マネジメントセンター通信教育教材2016年
『偉大なリーダーに学ぶ 周りを「巻き込む」仕事術』日本能率協会マネジメントセンター通信教育教材2015年
『すごい結果を出す人の「巻き込む」技術 なぜ皆があの人に動かされてしまうのか?』大和出版
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