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2026年01月22日

美容家電戦国時代を走る4社の正体

先日の朝、鏡を見たらひどい寝癖が!
ドライヤーで直そうと思って洗面台の扉を開けたら、お目当てのドライヤーの代わりに電源コードの付いた見慣れぬロゴのブラシがありました。

「SALONIA(サロニア)?」

いわゆるヒートブラシと呼ばれる美容家電のひとつでした。無事それで寝癖は直せたのですが、ちょっと気になって調べてみました。
というのも、美容機器(美容家電)の分野ではパナソニックや日立といった老舗の総合家電メーカーだけでなく、リファに代表される新星たちが群雄割拠する状況となっていたからです。

では、ここからは先のリファ、サロニアに加え、ヤーマンとクレイツも入れた4社の戦略の違いを中心に、このマーケットについて分析していきます。

まず見えてきたのは、美容家電市場はいま、「どれを選ぶか」ではなく「どのような美を目指すか」でブランドが選ばれる時代に入っているということでした。
そしてその象徴が、リファ・サロニア・ヤーマン・クレイツの4社です。

同じ“美容”を扱いながら、彼らはまったく異なる戦場で戦っていると言えます。

① 各社の概要とヒット商品の具体例

■ リファ(ReFa)

キーワード:プレミアム体験 × 美の象徴化

MTGが展開するリファは、「美容そのものを憧れの対象にする」ブランドです。
ローラー、美顔器、ドライヤー、シャワーヘッドまで、“持つこと自体が美意識の証”になる商品設計が特徴です。

<代表的ヒット商品>
・リファカラット(美顔ローラーの代名詞)
・リファビューテックドライヤー
・リファファインバブル(シャワーヘッド)

■ サロニア(SALONIA)

キーワード:ちょうどいい美容 × 日常使い

サロニアは「高すぎず、安すぎず、失敗しない」美容家電の代表格です。
初めて美容家電を買う層の“入口”をほぼ独占しています。

<代表的ヒット商品>
・ストレートヘアアイロン
・スピーディーイオンドライヤー
・EMSリフトブラシ

■ ヤーマン(YA-MAN)

キーワード:技術主導 × 家庭用プロ機器

ヤーマンはRF、EMS、LED、光美容など、医療・業務機器レベルの技術を家庭用に落とし込む老舗企業であり、「効く理由」を理屈で説明できるのが最大の武器です。

<代表的ヒット商品>
・フォトプラスシリーズ
・メディリフト
・レイボーテ(光美容器)

■ クレイツ(CREATEs)

キーワード:プロ仕様 × サロン発想

クレイツは美容師・サロン向け機器をルーツに持つブランドです。
華やかさは控えめですが、「現場で信頼される道具」を家庭に届けてきました。

<代表的ヒット商品>
・クレイツイオン カールアイロン
・エレメアシリーズ(ドライヤー/アイロン)
・マグネットヘアプロ(プロ×家庭の橋渡し)

② マーケティング視点で見る4社の決定的な違い

この4社、実質的に「競合していない」ことが見えてきました。というのも上記の特徴からもわかるように、

◇リファは「欲しくなる美容」
◇サロニアは「使い続けられる美容」
◇ヤーマンは「効かせる美容」
◇クレイツは「任せられる美容」

といったように、それぞれが別の「顧客ニーズ」を満たすことを目指しており、だから共存できているのです。

③ 今後、この4社はどう変わっていくのか

● リファの未来

・体験型ストア・ブランド空間の拡張
・美容を“所有”から“体験”へ
・よりラグジュアリー志向へ

といった形で、ハイブランド化がさらに進むのではないでしょうか。

● サロニアの未来

・若年層・男性層のさらなる取り込み
・「美容家電=サロニア」の定着
・デザイン×SNSで生活必需品化

ある意味、「美容家電のユニクロ」的なポジションを確立していくと考えられます。

● ヤーマンの未来

・海外市場での本格拡大
・医療・美容の境界線を越える製品
・データ×美容の融合

コアコンピタンスの技術力を活かして、「家庭用美容テック」の覇者を目指していくのかもしれません。

● クレイツの未来

・プロと一般の“中間市場”の強化
・マグネットヘアプロ路線の拡張
・美容師監修・教育型ブランドへ

リファやサロニアほどの一般的認知度はなくても、「プロ仕様」という圧倒的信頼感でコアな客層から選ばれる「静かな王者」を目指していくと予想します。

④ まとめ:4社は「美容の役割」を分担する

◇リファは、美容を“夢”にする
◇サロニアは、美容を“習慣”にする
◇ヤーマンは、美容を“科学”にする
◇クレイツは、美容を“仕事”から支える

この4社を見ていると、美容市場が単なるモノ売りから、価値観・生き方・自己表現の市場へ進化していることがよく分かります。

もしこの先、「どの会社が勝つか」ではなく、「どんな美容を選びたいか」を考える時代が来るとしたら、すでに彼らは、その答えをそれぞれ提示しているのかもしれません。

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