KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

学びの体験記

2023年08月08日

本質的な学びは15年経っても活きている

神谷 実
大正製薬ホールディングス株式会社

マスタリーコースの受講の経緯と15年

私は2008年から2009年に掛けて、「知的基盤能力マスタリーコース」(現:未来協創マスタリーコース)を受講しました。当社では当時、毎年1人が当コースに派遣されていました。派遣対象者は社内で公募され、希望者が提出した書類を審査して決定となります。

マスタリーコースに応募したのは、
・社内で活躍していた別部署の上長がマスタリーコース修了者であった
・社会人の学び直しにとても興味があった
・ブランドマネージャーの職務において、各方面の課題を抽出しその解決方法を探っていという思考スタイルとその段取りに不慣れであった
ことなどからでした。

更なる自己成長の為にと、このコース受講を私は虎視眈々と狙っていました。応募時には社内提出のエントリーシートのタイトルをわざと「入学願書」と大袈裟にし、A4の1枚の中に熱き想いをしたため、提出した記憶があります。結果、派遣が決まり、約2年の通学生活がスタートしました。

あれから15年が経過。
役職が付き、部下も増えました。担当職務もマーケティング部門、営業部門、宣伝広報、現在は子会社に出向、と様々な部門・部署を経験してきました。
どのセクションに異動しても、どんな実務をやろうとも、慶應MCCのテキストを綴じたファイルが入っているデスクキャビネットはそのまま一緒に引っ越しています。そして、折に触れて読み返すようにしています。

今回、改めてテキストと記憶をさかのぼって、特に学んだ内容が活かせていると感じているプログラムを3つ紹介いたします。

◆2008年5月開講 目に見えるロジカルシンキング(桑畑先生)

1.主体的に考え議論する 
2.本質を追究する 
3.正解探しをしない
講座を通してこのグランドルールが徹底されていました。
他者の意見に安易に同調しないこと、自分にしつこく問いを投げかけること、仮説は重要だがそれに縛られないこと、正誤ではなく適不適で評価すること等、その後どの部署に行っても自身実践するとともに、自チーム内に浸透させています。

「本当にこれでいいのか?」「この結論でいいのか?」
毎回、ミーティングではメンバーに聞いています。顔を見ていれば分かります。納得していない部下はそういう表情をしている。該当者にわざと振るのです「大丈夫か」「納得しているか」と。

他にも、会議・ミーティングでは単純に声が大きい人(最もらしく、自信満々に考えを述べることが出来る人)の意見に引っ張られるという傾向は一般論、当社でもよく有る事象です。また、当プログラム受講で「考える癖」が身に付きました。その後の仕事にも大いに活かされています。

◆2008年9月開講 主観を磨く意思決定(長瀬先生)

意思決定とは自分の将来の行動を決めること。
それまで、自分がどうやって意思決定をしているかを改めて考えた事などありませんでした。無意識のうちにバイアスが掛かっている事などを論理的に証明して戴きました。それを踏まえた上で日々の意思決定を行うことの重要性を学びました。

このプログラムを選択したきっかけは、先立って受講した「夕学五十講」(現:夕学講演会)でした。2008年7月に長瀬先生が登壇された回を受講しました。同じく意思決定論についての講演で、今まで抱いていた認識が誤った固定概念や思い込みであったことがわかったからです。長瀬先生の教えを請いたいと思い受講しました。

夕学五十講では他にも、野口悠紀雄氏の資本開国論や、昨年お亡くなりになった元SONY社長の故出井伸之氏による日本進化論などがとても印象的で、メモした議事録は今でも大切に保管しています。

◆2009年1月開講 ビジネスプロフェッショナルのマーケティング戦略(余田先生)

全6回ケースメソッドで実施された本講座は、毎回個人研究(事前課題)がありました。それをやらないと当日の授業の理解は当然進まないし、ディスカッションに参加も出来ない。日常業務との同時並行はとても厳しかった記憶があります。

当社の商いはBtoCですが、経験のないBtoBの戦略事例を真剣に考えたり、まったく異業種の事例を学習したりすることで、真の意味での「考える力」が身に付きました。

自社の思考はパターン化されていると気づき、まったく違う業種でそれをやろうとした場合どうか考えました。今でも常に、本当に考え抜いてその結論を出しているか、安易に答えを出していないか、自問自答を繰り返していますが、この原点は意思決定論にあると思います。

また、余田先生はじめクラスに、大正漢方胃腸薬やリポDなどの当社商品のヘビーユーザーがいらしたことや、グループディスカッションが多かったことから仲間との親睦も深まり、このメンバーでの飲み会がいちばん多く開催されました(笑)。

◆2年を終え、15年を振り返って

上記の他3講座、計6講座を受講し約2年のマスタリー生活を終えました。慶應MCC入学時の在籍はマーケティング部門、修了時は営業部門でした。

営業の実務、マーケの実務とテクニカルな部分は当然違いますが、論理的思考や意思決定、戦略立案は、どんな仕事をしても活かせる不変なものであると改めて痛感しています。

慶應MCCファイルが入っているキャビネットは、今後も私の側にずっと居て、時折リマインドと戦略思考のチャンス(気付き)を与えてくれるものだと思っています。
改めまして、「ありがとうございました」。

神谷 実

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