KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

学びの体験記

2026年10月13日

[私をつくった一冊]ジャレド・ダイアモンド著『銃・病原菌・鉄』(上・下)

慶應MCCの参加者の皆さまに、影響を受けた・大切にしている一冊をお伺いします。



銃・病原菌・鉄
『銃・病原菌・鉄』
著:ジャレド・ダイアモンド; 出版社:草思社文庫; 発行年月:2000年10月(文庫2012年2月;価格:1,100円税抜

どのような内容ですか?

なぜ欧州諸国が世界の富と権力を握り世界を支配できたのか、なぜその逆は起こらなかったのか、というシンプルな問いに対し、地理歴史の観点から掘り進めたノンフィクション。農耕・牧畜の観点、大陸の軸(ユーラシアが東西に長いことが発展に有利だった)、人口密度、病原菌といった様々な切り口で、この問いに対する答えを環境決定論で説明した本です。

その本には、いつ、どのように出会いましたか?

当時勤めていた企業の管理者向け研修プログラムで、外部講義を一つ選択する、というのがあり、膨大な選択肢の中から「リベラルアーツ」という言葉にひかれて慶應MCCの高橋ゼミ(『人と組織の世界観ゼミナール』)を受講したのがきっかけ。本書はその講義の課題図書第1冊目でした。

それはご自身にとってどんな出会いでしたか?

社会人となってから約20年間、仕事で必要な本以外はほとんど読んでこなかった自分が、慶應MCCで最初に出会ったのがこの本でした。20年ぶりの読書体験が、偶然にも大学時代に専攻していた地理学と深いつながりがあるテーマだったこともあり、久しぶりに夢中になって読み、本の面白さを思い出すことができました。高橋ゼミは課題図書が多く強制的に本を読むことが続いたおかげで、一気に読書習慣が身につきました。そして世代も仕事もバラバラなゼミ生との交流が講座終了後の今も続いており、〈読書の楽しさ〉と〈本を通じて出会う世界の広がり〉を得ることができました。そのはじまりとなった、思い出深い1冊です。

この作品をおすすめするとしたら?

ハウツー本やビジネス書からちょっと横道にそれて、ファクトベースで別の視点から社会を学びたい人におすすめしたいです。あまりに当たり前であるがゆえ、いままで深く考えることもなかったこと(世界がなぜこのような力関係になっているのか)を考える面白さに気づけました。読後は世の中の解像度が一段高くなり、社会の見え方がより多角的になった実感があります。


 

桜木 大福さん

長年地理学領域をこよなく愛しており、世界一周旅行ののち旅行会社に就職、外資IT複数社と日系JTCを経て、総合ディスプレイ企業のサステナビリティ事業として地方創生・地域活性化に携わっています。転職・引っ越し回数は日本人平均をはるかに超えていて全体的に落ち着きがないですが、よく言えば流動的でレジリエンス力高めです。

慶應MCCには2023年に『人と組織の世界観ゼミナール』に初参加し、その後は三宅香帆さん、井手英策さん、永井玲衣さんと半年に1講座のペースで学び続けています。どの講座も全部、記憶に残り、印象的です!

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