私をつくった一冊
2024年10月08日
高田 圭悟(慶應MCCシニアコンサルタント)
慶應MCCにご登壇いただいている先生に、影響を受けた・大切にしている一冊をお伺いします。講師プロフィールとはちょっと違った角度から先生方をご紹介します。
- 高田 圭悟(たかだ・けいご)
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- 慶應MCCシニアコンサルタント
1.私(先生)をつくった一冊をご紹介ください
2.その本には、いつ、どのように出会いましたか?
20年程前、海外のビジネスパートナーとの会議時に「日本のビジネスパーソンにも役に立つ考え方では?」と紹介されました。それ以前から、多くの書籍や文献でデボノ博士の考えが引用されていることに気づいていました。その後、前職のコンサルティング会社勤務時に、博士開発の各種思考ツールを企業研修として日本に導入する仕事を経験しました。仕事を通じて、改めて博士と接点を持てたことに運命的なものを感じました。
3.どのような内容ですか?
情報収集に固執したり、過度に批判的に考えたりなど、個人が持っている「思考のクセ」に囚われることなく、思考を6つの側面に分け、バランス良く考えるための手法を教えてくれる本です。混乱や決断へのためらいを回避でき、納得感の高い決断に導いてくれます。デボノ博士考案のツールはシンプルさと実用性、そして、確実に成果をもたらすことをモットーに開発されています。実際に使ってみると、その使いやすさに驚きます。
4.それは先生にとってどんな出会いでしたか?
唐突ですが、過去、オリンピックの開催そのものが危ぶまれていた時期があったのをご存知でしょうか?以前は開催都市が費用を全面的に負担する運営方式だったため、財政上の問題が表面化し、開催に立候補する都市がどんどん減っていっていたからです。
この状況が変わったのが1984年に開催されたロサンゼルスオリンピック。財政問題の解決に悩んでいたオリンピック推進委員会の一人が博士の講演に参加します。その講演時に紹介された手法で考えた結果、「開催費用を開催都市に負担させるのを止めよう。代わりに、企業スポンサーを募ることで財政問題を解決する」というアイデアを得ます。
博士のツールが社会に変化をもたらした一例であり、私もそんなパワフルな思考ツールを日本に紹介したいとの想いから、前職でデボノ博士の研修プログラムの日本への導入と浸透に注力しました。この本との出会いの延長線上に、博士の思考ツールを企業研修として日本に導入する仕事があり、そのご縁で博士にお会いする機会を持てました。とてもシャープで、視野の広さが感じられる口調でお話しされる方でした。私の人生の重要な一部分を形成してくれた本であり、また、博士との出会いでした。
5.この作品をおすすめするとしたら?
「決断」を逆から辿ると、「断つことを決める」と読めます。目の前に数ある選択肢の中から何かを選び、それ以外は断って捨てなければいけないのが決断です。決断にストレスを感じる人は多いと思います。それでも決断しないと前に進んでいけないもの。決断することに怖さを感じる人、納得感の高い決断をしたい人におすすめです。(ちなみに、英語の表現も非常に平易なので、英語のリーディング力を高めたい方にもおすすめです!)
- 高田 圭悟(たかだ・けいご)
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- 慶應MCCシニアコンサルタント
- 英国ウォルヴァーハンプトン大学大学院卒(MBA)。インフィニトラベルインフォメーションではシステム開発のプロジェクトを担当。その後、マーケティングリサーチ会社、ラーニングマスターズの研修開発・講師を経て独立。中央大学客員講師(海外インターンシップ・企業派遣コース担当中)。マネジメント、コミュニケーション、EQ、リーダーシップ等の研修講師、さらにアセッサーとして企業内研修等で活躍中。
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