夕学レポート
2009年04月10日
第25回7/30(木) 佐藤勝彦さん
第25回 7/30(木)の講師は、宇宙物理学の第一人者 佐藤勝彦先生です。
この春に東大を定年退官された佐藤先生は、宇宙をテーマにした一般向け科学解説書や教養書を数多く書いてこられました。
湯川秀樹、朝永振一郎両博士を嚆矢に、昨年の南部陽一郎先生まで、ノーベル賞学者を輩出してきた日本の素粒子理論研究の関連領域で、私達一般人がかろうじてイメージできるのが「宇宙」の不可思議を解明することに貢献してきたという事実ではないでしょうか。
佐藤先生は、そんな伝統的系譜をつないでこられた研究者のお一人です。
137億年前にビックバンによって誕生し、いまもって加速度的な膨張を続けていると言われる「宇宙」。夕学にも登壇いただいた松井孝典先生のお言葉によれば、「自然界には、宇宙の歴史的痕跡が刻み込まれており、いわば「宇宙の古文書」の役割を果たしている」とのこと。
その古文書を、物理学の理論を使って読み解くことで、宇宙の謎を解明するのが宇宙物理学という学問です。
佐藤先生によれば、宇宙を構成する物質エネルギーのほとんどは「暗黒物質」と呼ばれるものだそうです。
なんともおどろおどろしい名称が付けられていますが、要は、自ら光を発することもなく、どんな信号にも反応することもない、正体不明の存在であることが、「暗黒」である所以とのこと。
つまり、宇宙のほとんどは、まだ未解明の物質エネルギーに満ちており、宇宙の膨張も、その「暗黒物質」が及ぼす効果なのだそうです。
かくも不思議で、スケールの大きな宇宙の話。
佐藤先生のお話を聞いたあとに、夏の夜空を眺めてみたいと思いませんか。
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