夕学レポート
2014年03月12日
第9回 5/22(木) 小川進さん
第9回 5/22(木)に登壇いただくのは、神戸大大学院教授の小川進先生です。
小川先生は、ユーザーイノベーション(ユーザー・消費者参画型の新製品開発)研究を専門とされるマーケティング学者です。MITスローンでユーザーイノベーションの第一人者エリック・フォン・ヒッペル教授のもとでPhDを修得されました。
ユーザーイノベーションが、新たな商品開発の方法論としてはじめて注目されたのは、もう10年以上前になります。
小川先生が『イノベーションの発生論理』という本を書き、組織学会高宮賞を受賞されたのは、2000年のことになります。2002年前期の夕学に登壇いただいて、ユーザーイノベーションについてお話していただいたことがあります。
当時始まったばかりの「空想生活」などの事例を興味深くお聞きした記憶があります。
ユーザーイノベーションは、それまでのものづくりと百八十度パラダイムが異なるので、当時からその困難さが指摘されていました。画期的な大ヒット商品が生まれてこないことも懐疑的な人がよく口にすることでもありました。
ただ、小川先生の近著『ユーザーイノベーション』を詠むと、そういう大ヒット商品を作ろうという発想そのものが、大量生産時代の意識を引きずっているのかなと思うようになりました。
「こういうものが欲しい」という消費者の思いは、本来ユニークなものであるべきで、ユーザーイノベーションというのは、ロングテール型なのかもしれません。
この本で小川先生が紹介しているユーザーイノベーションの事例は、いずれもそのタイプではないでしょうか。
創造の喜びを消費者に広げる。
イノベーションの民主化こそが、ユーザーイノベーションの本質だと小川先生はいいます。「モノ作りの新たな形について興味がある方にきっと参考になる」お話だそうです。
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