夕学レポート
2016年03月19日
第10回 5/27(金) 姜尚中先生
第10回は、姜尚中先生にご登壇いただきます。
ファッション誌を眺めていたら、姜尚中先生のインタビューが載っていました。驚きました。幅広い著書があり、やわらかな語り口と雰囲気の素敵な姜先生ですから、女性のファンや読者が多いことは知っていましたが(という私自身もその一人)、「差別の構造」というタイトル、険しい表情をしたお写真、前後ページとのギャップ。唐突さときびしさに驚きました。
「人は自分より下位に位置づけられる人をつくりたがる。」
異質なものとの融合によって新たな価値観が生まれるが「差別によって社会は停滞的になってしまう。」
内容はとても興味深く、いつものトーンのままで読者に媚びるところがまったくなくて、姜先生だからこそできる発信だな、と感じました。日本でもファッション誌がこうした思想や社会問題を取り上げるようになってきたのか、と嬉しく思いました。
姜先生は、政治学、政治思想史がご専門で、文学や芸術にも造詣が深く、そして、社会的問題や人間の本質にかかわるテーマについてもこうして、常に向き合い発言されています。
『夕学五十講』には、これまで3度、ご登壇いただきました。初回と3回目は東北アジア共同体について、2回目は漱石に学ぶ”悩む力”についてご講演いただきました。
今回の演題は、「悪との向き合い方」です。
人間には、日頃は向き合うのを避けたいし、自分では認めたくないけれど、たしかにもっている醜い部分があります。それが社会になると顕れてくる、時代の変化によって性質が変わってくる。差別もそのひとつであり、悪もそんな存在ではないでしょうか。姜尚中先生とであれば、静かに向き合えるように思います。(湯川)
・姜尚中
・東京大学名誉教授、熊本県立劇場館長
・「悪との向き合い方」
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客観性に閉じ込められる私たち
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教養としての仏教:苦しみをどう超えるのか
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東京大学東洋文化研究所 准教授
家庭の仏壇や供養の儀式、あるいは観光旅行での古寺巡礼など、仏教は比較的身近な存在でありつつ、知っているようで知らない奥の深さもあります。仏教学の専門家より教養としての仏教を学びます。
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