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慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

夕学レポート

2014年09月11日

第11回 11/11(火) 桜井博志さん

第11回 11/11(火)にご登壇いたくのは、旭酒造株式会社桜井博志社長です。
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旭酒造と聞いてピンと来ない方も「獺祭」というお酒の名前はお聞きになったことがあろうかと思います。 こちらです。↓
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滅多に手に入らない幻の日本酒として有名です。
私は4~5年前、ブームのほんのちょっと前に山口湯田温泉の居酒屋で口にすることが出来ました。甘くフルーティーな味わいに驚いた記憶があります。
獺祭ブランドの金看板と言われている「獺祭 磨き二割三分」は、山田錦を磨きに磨いて、芯部分のわずか23%だけを使うという純米大吟醸です。
大吟醸というのは、23%といかないまでも精米比率が50%を越えるまで磨き上げるために手間がかかり、それゆえ高価です。獺祭は、その大吟醸しか造らないことが特長だと言います。
日本酒の製造は伝統的に杜氏という職人集団が担ってきました。各酒蔵には仕込みの季節になると通い慣れた杜氏さんがやってきて、徒弟的な伝承システムを守りながら酒造りを行いました。杜氏は社員ではなく、言わば請負型の外部専門家のようなものですが、酒造りにおける権限は絶対で、蔵元でさえ口を挟めないといわれています。
実家の酒蔵を継いだ桜井社長は、純米大吟醸に絞り込んだマーケティング戦略を立てましたが、製造に手間がかかり過ぎることや経営への不安から杜氏が酒造りを拒否してしまったといいます。
桜井社長は、「それならば自分達で納得のいく酒を造ろう」とはじめて出来上がったのが「獺祭」だったと言います。
講演タイトルの通り、ピンチをチャンスに変えることで生まれ得たお酒ということでしょうか。
お酒の好きな人はもちろんですが、成熟産業にあって新しい動きを起こそうと努力していらっしゃる多くの方にヒントを与えてくれる講演になると思います。

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