夕学レポート
2013年03月19日
第13回 6/11(火) 国分良成さん
第13回 6/11(火)の講師は、防衛大学学校長の国分良成先生です。
国分先生は、現代中国研究における文字通りの第一人者ではないでしょうか。
故石川忠雄先生(元慶應義塾長)の愛弟子として、現代中国研究をリードしてきた慶應の中国研究人脈の系譜を継ぐ先生です。
国分先生が、法学部長退任と同時に防衛大学校長に就任されたというのは、日中の緊張関係を反映しているともいえるのかもしれません。
夕学には、2002年の春、2008年の秋、そして2013年春と、5年置きのペースでご登壇いただいてきました。
5年に一度というのは、中国の国家最高意思決定機関と言える「全国人民代表大会」が開かれるタイミングと期を一にしています。
5年に一度、中国の権力構造と国家意思が変わりうタイミングで、第一人者の国分先生に解説をしていただこうという狙いです。
2008年の夕学ブログをみると、中国のこれからを次のように予見されていました。
資本主義と社会主義という 相反する道を同時に歩もうとすることで噴出する多くの矛盾・問題(格差、不正、腐敗)は益々ひどくなるだろう。
権力側は、強固な政治体制のもとで、矛盾・問題を強権的に押さえつける状況が続くだろう。
対外的には協調関係が促進されていくだろう。
前半は、その通りになっています。
対外関係に関しては、民主党政権の迷走あって、対日的には深刻な緊張状態が続いています。
個人的な感想では、昨年来中国内部の権力抗争が、以前と比べて随分と表沙汰になっているのではないかという思いがあります。
国家主席となった習近平氏や、前首相の温家宝氏の、いずれも親族を巡る蓄財疑惑など、最高権力者にかかわるマイナス情報が、ここまで詳細に表に出たことはなかったのではないでしょうか。
社会主義型資本主義の矛盾が臨界点に近づき、強権的な政治権力で抑えつけることの無理が、ゆがんだ形で表出化しているように思えてなりません。
巷間言われているような、太子党vs共青団vs上海閥などという単純な権力抗争では説明できいように思えます。
習近平体制の中国は、この移行期をどう乗り切ろうとするのか、国分先生の解説が待ち望まれます。
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