夕学レポート
2008年09月29日
第14回 12/3(水) 御厨貴さん
第14回(12/3)の講師は、東大先端科学技術研究センター教授で、政治学者の御厨貴先生です。
御厨先生は、オーラルヒストリーという方法論で政治家研究を行う第一人者です。オーラルヒストリーとは、対象者自身に対する「聞き書き」によって歴史を記述研究するものだそうです。
通常の歴史研究は、文献資料をつぶさに検証することをもって科学的な手法とされてきました。しかし文書だけでは、政治過程、政策決定場面で実際に何がが起き、どのような議論を交わされたのかというプロセスが記録に残りにくいという欠点があります。オーラルヒストリーは、その欠点を埋め、いわば生々しい政治の実像が見えてくるという点に特徴があるそうです。
今回の講演は、御厨さんがオーラルヒストリーで話を聞いた二人の元首相 宮沢喜一氏と竹下登氏の「来歴を列伝風に比較考究しながら、総理大臣というもののあり方、政治家というものの存在の意味など、最近の日本政治に資する話を展開します」とのこと。
吉田首相の秘書官として日米講和条約締結に関与したことを皮切りに、戦後政治の当事者として半世紀を過ごした宮沢元首相。島根の青年団長から首相に登り詰め、退任後もキングメーカーとして権勢をふるった竹下元首相。
対称的な歩みを重ねつつ、自民党政治を形勢してきたお二人が、人生の幕引きを控えて、御厨先生に何を語ったのか。そこから日本政治の何が見えてくるのか。興味深いところです。
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