夕学レポート
2011年03月29日
第17回 6/29(水) 辻井隆行さん
第17回 6/29(水)に登壇いただくのは、パタゴニア日本支社長の辻井隆行さんです。
サラリーマン生活を経て早稲田大大学院で地球社会学の修士号を修得した辻井さんの研究テーマは「日本人の自然観」だったそうです。
その後、自然と共生する生活環境を求めて、冬は長野でスキーパトロール、夏はカナダでシーカヤックガイドをするなどして過ごしていた辻井さんが、パートタイムアルバイトでパタゴニアのお店で働くようになったのは、10年程前のことだったといいます。
翌年には正社員に、その後はスタッフ職を経て、日本支社の代表へと抜擢されたのは、パタゴニアという会社の組織観・人材観のなせる技だったのかもしれません。
組織構造を類型化する方法はいくつかありますが、「有機的組織」と「機械的組織」の二分類がよく知られたものです。
どちらが良い悪いのではなく、置かれた環境や事業・製品の特性に応じて状況適応的にふさわしい組織構造があるというのがこの分類の主旨ですが、パタゴニアは、組織の成り立ち、経営理念、扱い商品等々のどれを取っても、「有機的組織」が最も機能する会社であることは間違いありません。
スタッフひとり一人が経営理念に共鳴し、一体感をもった経営と個の自主性を両立することで、良い商品が生まれ、顧客に価値が提供できる。結果的に社会にも貢献できる。
そう考えるパタゴニアにとって、自然への畏敬の念と学識を持ち、自ら自然の中で生きることをモットーとしてきた辻井さんは、経営理念を体現でき、言語化・行動化できるリーダーとして適任だったのかもしれません。
数字ですべてを判断するグローバル金融資本主義的経営もあれば、パタゴニアのような理念追求型経営もある。それがアメリカという国の懐の深さです。
6/29 (水) 「理念に基づく組織運営」 辻井 隆行氏
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~稲盛経営哲学を出発点として~
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慶應義塾大学大学院経営管理研究科 教授
日本経営倫理学会常任理事
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