夕学レポート
2010年09月29日
第25回 1/26(水) 守島基博さん 「職場寒冷化に歯止めを」
今期の最終回 1/26(金)を飾っていただくのは、人材マネジメント論の第一人者 一橋大学大学院教授の守島基博先生です。
守島先生は、夕学は3度目の登壇になります。
2001年、2005年、2010年と、5年ごとに、夕学で、守島先生による日本企業の人材マネジメントの評価・分析をお聞きすることになります。
2001年といえば、成果主義の全盛時代、人材マネジメントの分野では、コンピテンシー論が花盛りでした。人材流動化時代に向けて舵が切られたのだという論調が強くなった時代でした。
2005年は、成果主義への疑問符が叫ばれ始め、軽視されてきた弱い立場の人々の問題が顕在化する一方で、日本企業は終身雇用を守っていくのだというコンセンサスが生まれていました。
そしていま、守島先生は、日本企業にあった「人を育てる地力」のようなものが弱体化しつつあるという問題意識を持っていいます。
人が育つ場であったはずの職場が、あたかも化学肥料を使い過ぎた土壌にように脆くなっているとセンサーを発しているのです。
効果的に人を育て、健全に人を競争させ、働く人の協働を通じて、企業の目的を達成するという、職場が持っていた基本的な機能が弱くなり、タスクアサインと人事管理の効率化のための区分け単位になりつつあると言います。
そんな「職場寒冷化」現象に歯止めをかけるために何をすればよいのか。時あたかも大寒の季節、日増しに強まる寒冷前線の勢力に負けずに、ひとあし早い春の準備に入ります。
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6月14日(土)開講・全6回
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政治、経済、環境、技術など多角的な要因を考慮する広義な「安全保障」を議論する。

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慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)副所長、慶應義塾大学 X Dignityセンター共同代表
偽・誤情報や誹謗中傷、さらには社会的分断の一因になっているとも言われる「アテンション・エコノミー」が孕むジレンマに人権や民主主義の観点から迫り、克服の糸口を考えます。

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2025年5月30日(金)18:30-20:30
蔦屋重三郎の仕事に迫る
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中央大学文学部教授
NHK大河ドラマ『べらぼう』時代考証教授
次々と流行を生みだしていった蔦屋重三郎との仕事ぶりを辿り、江戸時代中期から後期へと大きく変化する時代の様相を見てみます。
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