夕学レポート
2009年03月06日
第3回4/22(水) 佐高信さん
第3回4/22(水)の講師は、佐高信さんです。
佐高さんも夕学は3度目の登壇になります。
大学時代からの友人である岸井成格さん(毎日新聞編集顧問)が言うところの「人間性センサー」を持っている佐高さんにとって、これまで2回は、小泉-竹中コンビという好敵手が健在だったので、センサーの鳴り方も、ひときわ高かったような気もします。
ところが、この2年ほどは、センサーを鳴らすに相応しいほどの相手もいないというのが、我が国の政治の現状ではなかったでしょうか。こころなしか佐高さんの物言いも優しくなったと感じるのは私だけでしょうか。
そこで今回は、現状の政治・経済を斬るのではなく、過去の先達を振り返っていただくことにしました。
佐高さんは、「慶應出身だから...」というわけでなく、ひとりの評論家として、福澤諭吉を高く評価しています。
幕末、日本中に攘夷思想が跋扈していた頃は、福澤の開明的な思想や行動に対する攻撃も激しいものがありました。命を狙われることもしばしばだったと言います。中津藩の下級武士に生まれ、拠って立つ基盤のない福澤は、生身でその危険に立ち向かっていきました。
その精神的強靱さは、佐高さんの高く評価するところです。
また、明治政府が成立後に、繰り返し政府出仕を求められながら、終生在野に生きることを貫いた姿勢も佐高さんの好みのようです。
思想というのは、常にその時代の風と熱に晒されます。
後世から見てみれば好きなことが言えますが、ある方向へと時代がうねりを上げて動いている時、人々が熱病のようにそれに流されている時、敢然として自身の信じる思想を語り、行動することは並大抵のことでは出来ないことを、自らもそうして生きてきた佐高さんはよく知っているのかもしれません。
時代の熱に浮かれなかった生き方。それが佐高さんをして、福澤諭吉を「平熱の思想家」と言わしめたものだそうです。
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