夕学レポート
2021年03月25日
第7回 5/18(火)五木寛之さん
大ロングセラー『大河の一滴』、吉川英治文学賞受賞作『青春の門』、一時休筆し仏教史を学んでまで向き合われた長編小説『親鸞』。数々の話題作とご発信で、たいへんご活躍の五木寛之さん。この『夕学五十講』にも三度目のご登壇です。
出口が見通せないコロナ禍が続く中、社会全体が「抑鬱」状態に陥っているのではないか、と五木さんはおっしゃっています。しかし「鬱」という言葉にはプラスの意義がある、こうしたときだからこそやるべきことがある、とも。そのメッセージが今回の演題『再・学問のすすめ』にこめられており、その思いから今回の再登壇が叶ったのだと思います。
美術番組のアーカイブ放送で、五木さんが、ムンクの『叫び』についてコメントされているのを拝見しました。ムンクが『叫び』を描いたのは1893年です。
それまで宗教と科学はバランスをとって発達してきたが、近代は科学が先行し、心が病んだ時代。これは画家の幻想ではなく、時代そのものあり方を象徴している。そして、私たちが心に不安を抱き続けている限り、ムンクは関心を持たれ続けるだろう。
こうした内容でした。作家として社会、時代、人々、そして心を見つめ続けてこられた五木さんだからこその視点であり、表現であると感じました。今回の講演も皆さんとじっくりお伺いしたいと思います。(湯川)
・五木寛之さん
・作家
・演題:「再・学問のすすめ」
※本講演は、講演90分・質疑応答はありません。(20:00終了)
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