2016年05月10日
ニューヨークの結婚式
ダンナの友達で、ユダヤ教徒のカップルの結婚式にお呼ばれしました。
ニューヨークはユダヤ教徒(Jewish)の多い街。政財界で力をもつ人や、著名人、スターにもユダヤ教徒が多いといいます。
そんなJewishの結婚式、どんな感じでしょう?
アメリカ人の結婚式も初めて。またしても未知との遭遇ですがいつもと違うのは不穏なドキドキよりワクワクが勝ること。
ニューヨーカーのWedding!
自ずと気分もアガります。
とはいえ、
お祝儀は?
着ていくものは?
子連れ可?
わからないことばかりなのでさっそくダンナが同僚にヒアリングを開始。
すると、とにかくまずは
”Registry”(レジストリ)しろと。
それからダンスの練習もしておくように。
とのこと。
ダンス・・・はともかく、
レジストリとはいったい?
同僚のアドバイスに従って老舗デパートのWebサイトから新郎新婦の名前と挙式日を入れると
あった!
カップルの欲しいものリスト
食器、花瓶、写真立て、キッチン用品、インテリア・・・
Kate Spadeのカトラリーセット$200とか、コーヒーポット$270とか。
カップルというよりほぼ間違いなく100%奥さまの欲しいものなんだけどアメリカ人Wish List大好きね。(先生たちの欲しいもの!)
やっぱりここでも自己主張は大事というわけです。
2人で$500くらいになるように、と同僚に言われた通りいくつか選んで、カートに入れてクレジットカードで支払いを済ませたら、あとはもう自動的にカップルの自宅に届くよう設定されています。
なるほどねぇ
これなら誰かとプレゼントがかぶっちゃった、ってこともないし、せっかく頂いたけど使わない、、、っていうこともないし、当日持参する方も持って帰る方の手間も省ける。
全くもって合理的です。
このレジストリを事前に済ませておけばお祝儀は不要との言葉を信じて当日は手ぶらで会場に向かいました。
19時スタート夜の結婚式。
お洒落なトライベッカエリアのお洒落な煉瓦造りの建物。
ぐっと照明が落とされたエントランスのホール、ドレスアップした男女がシャンパングラス片手に談笑している中に恐る恐る足を踏み入れます。
シャンパンの泡が、シャンデリアが、もう全てがキラキラ眩いNYの大人の夜!
そう、これよ、これ!
子供たちベビーシッターに預けてきてよかった。間違って連れてきてたら相当ヒンシュクかってたわ・・・
そこから別室に移動し待機すること約1時間。なかなかスタートする気配がありません。結局、挙式が始まったのは20時をまわった頃でした。
おなかすいた・・・・
祭壇には4本の支柱ときれいな飾りが施された天蓋があり、その下に新郎新婦が立っています。この天蓋、新しい家族のシンボルということでユダヤ教の結婚式には必要不可欠だそう。
そして、おおっ!いたっ!
テレビでしかみたことない”ラビ”!
式を執り行うのはキリスト教なら神父さん、神前式なら神主さん、ユダヤ教ならこのラビさん。
お二人の馴れ初めは、match.comならずJ.comみたいなユダヤ教徒のためのマッチングサイトからはじまったそうで、そういうこともラビは包み隠さずお話ししてくれます。
そっかぁ・・・
ここでは婚活するにもまずは相手の宗教が何ってところから始めないといけないんだ。日本ではなかなかない発想です。
誓いの言葉の後に、何かが割られる音がし、何か叫び声が聞こえて式は厳かに終了しました。
後から調べると、これは大事な儀式のクライマックスだったようで、新郎新婦が飲み交わしたワイングラスを新郎が踏んで割り、皆で祝福の言葉を叫んでいたようです。
”一度壊れたものは元に戻らないから別れないように”
などの様々な意味を込めてグラスを割るらしい。
酒樽を割る鏡開きとか、ケーキ入刀とか、よくある”2人の共同作業”的なんじゃなくて、そこをあえて割り、壊す・・・。
そんな縁起の悪いことお祝いの席でいいの?って思いますが、ここが宗教の違い。文化の違い。おもしろいなぁ
挙式が終わり20:30
おなかすいた・・・・
再び別室に移動すると、お寿司やチーズ、ハム、フィンガーフードなどが次々に運ばれてきてバーカウンターではワインやカクテルがじゃんじゃん注がれていきます。
待ってました!
新郎新婦は歩き回りながらみなさんとご歓談
披露宴って着席じゃなくて立食なのね
全くパーティー慣れしていない我々夫婦は、”やっぱり日本とはいろいろ違うね~”とか話しながら、ここでガチで食べてしまうのですが、、、、
21時半もまわり、おなかもいっぱいになったし、そろそろ失礼しましょうか。
って、えーー!
先ほどの挙式会場、豪華なディナー会場に大変身しているではありませんか!
22時近くから、まさか、ここからディナーが始まるとは、、、、、大人のパーティーではまずカクテルパーティーがあって、ディナーはその後、だなんて。。
盛大な披露宴が始まり、DJの音楽にあわせて老若男女ノリノリで踊りまくる中、完全に読み違えた私たちはデザートにまで至ることなく、日付が変わる前にと、早々に失礼させて頂いたのでした。
サクサク時間通りに始まって終わる日本みたいな式もいいけど、時間を気にせず、こうやってゆったり楽しむのもまたいいものです。
お金も時間もたっぷりかけられた最高にゴージャスなこのたびの結婚式。
パーティー王国アメリカの本気を、豊かなJewishの人々の世界を、ちらりと垣間見た夜だったのでした。
- 寺尾 美香(てらお・みか)
- 慶應丸の内シティキャンパスで4年9カ月間ラーニングファシリテーターとして多くのプログラムを担当。2014年4月よりNY在住。
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