KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

ファカルティズ・コラム

2010年06月11日

我々に必要なのは回答か提案か、そしてその課題は?

久々にアタマがグルングルンしています(笑)
別に具合が悪いわけではなく、Twitter上で知った @sakaiosamu さんと @higekuma3 さん のブログ記事にいたく刺激を受けたからです。
おふたりの主張で私が触発されたのは、Google、というより「検索」に対する部分でした。

◆googleが、「今」に対して、何もアドバイスないね。「過去」しか。って賢い人は、気づき始めてる。
◆編集を排除してる点で、終わってるなぁ。って。

「Microsoftどころか、GooglezonDelの衰退」より引用)

◆Googleは「すでに何をしたいかがわかっている」状態の時に使うものなのだ。
◆検索するってものすごく主体的な行動で、みんなそんなに「自分が何をしたいのか」を自覚できてないんじゃない?

「AISASにはかねがね懸念があった」より引用)
そしておふたりとも、twitterなどのソーシャルメディアの存在が大きくなってきたことを挙げられています。
「Googleに頼らなくても、iPhoneアプリとかtwitterで聞いたほうが早い」
「ソーシャル空間は、時として「自分が何をするべきか」を教えてくれる」
「検索エンジンという機械に頼っていた我々が、再びヒトとヒトとの関係性に頼り始めた」と言えるのかもしれません。
そして、私は考えました。
「確かに“機械⇔ヒト”という構図(切り口)で見ることもできるが、別の構図も見えてくる」

そのきっかけは、やはりおふたりが使われていた“コンシェルジュ”という言葉でした。
ご存じの通りホテルや百貨店などの総合案内窓口を意味する言葉です。
彼らは「○○にはどうやって行けばいいの?」や「○○はどこに売ってるの?」という「How(どうすればいいのか)?」の答も示してくれますが、「ヒマなんだけどどこか面白いところない?」や「孫へのプレゼントは何が良い?」のような「What(何をすればいいのか)?」に対しても、質問者との対話で情報を収集し、自身の持つ情報を編集してそれに答えてくれます。
これがまさに「どうすればよいかを教えてくれる」検索にはない機能と言えるでしょう。
そして優秀なコンシェルジュは、「お嬢様、今日はカモミールティをご用意しました」という執事のように、こちらが聞かなくても「何をすればよいか」に答えてくれます。
Docomoの羊の執事も正式には「iコンシェル」サービスですね。
つまり、「何をすればよいか」というWhatに答えるコンシェルジュには、「聞かれて答える」回答機能と「聞かれなくても答える」提案機能のふたつがあるわけです。
話をネットに戻しましょう。
料理レシピサイトであるクックパッドは、「今晩何食べよう(作ろう)かなあ」というWhatを持ってサイトを訪れた人に答えてくれますから、回答機能を持ったサービスと言えるでしょう。(もちろん「あの料理はどうやって作るのだろう」というHowへの答も膨大に持っていますが)
それに対し過去の購入履歴から「こういう商品はいかが?」と教えてくれるAmazon他のオススメメールは、提案機能を有したサービスと言えます。
そう考えていくと、ここにはいくつかの論点があることに気づきました。

ひとつは「ネットでのサービスという視点では、今後はどちらが有望か?」という論点。
ふたつめは「情報提供サイドに立った時の各々の機能を実現するための課題は?」。
みっつめが「情報入手サイドに立った時の各々の機能を享受するための課題は?」です。

この3つの論点に対して、私自身現時点では明確な答を持っていません。
個人的には「Twitter他ソーシャルメディアのその後」まで視野に入れて考えたいので、少し時間と情報が必要だと感じています。
ただ、現時点でこの3つをブレークダウンした論点はいくつか見えています。
よってそれを備忘録と自分への宿題の意味も込めて以下に書き連ねたいと思います。
ブログとしては少し乱暴な終わり方ではあります(笑)が、皆さんが何かご自身で考えるきっかけにでもしていただけたら幸いです。


1.提案機能と回答機能、どちらが有望?
□これはユーザーのタイプにも依存する。
□具体的には「提案を喜ぶか、押しつけがましいと感じるか」によって一概に言えない。
□また、「提案してほしい」と感じるシーン、分野にも依存する。
□ではどんなシーン・分野か?これは少し掘り下げがいのある論点だろう。
2.サービス提供者の課題は?
□回答機能を、今まで通り「ヒト」に依存すべきか?
□工数の問題だけでない、「ヒトが編集する」ことのデメリット(主観による偏りなど)をどう考えるか?
□「何をしようかなあ」というユーザーに対して、「ウチに来れば解決しますよ」という誘導をどのようにして行うのか?
□提案機能の精度を上げる技術的・社会的な課題は?
□具体的には、複数DBの統合or接続の可能性とリスクをどう考えるか?
3.ユーザーとしての課題は?
□購入履歴などの個人情報のオープン化によるリスクと、サービスの享受の優先順位をどう考えるか?
□回答がほしい時の「正しい質問の仕方」(twitterでの聞き方やダイアログBOXへの入力方法など)はどうしたら学べるのか?
□回答をもらった時のリアクションはどうあるべきか?(特にソーシャルメディア内で)
□有用な情報(これはWhatだけではないが)を得るために、自身が情報のハブになる、あるいは数多くの有用なハブと接続し、それを維持するにはどうしたらよいのか?
うーん、まだまだありそうですが、今日はこのくらいにしておきます。
もし何か思いついたら、ぜひtwitterで話しかけてみてください。

メルマガ
登録

メルマガ
登録