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慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

ファカルティズ・コラム

2011年01月14日

尖らせるべきは何か

「戦略とは差別化である」
これはマッキンゼーの定義ですが、今回はこの『差別化』について考えてみたいと思います。
差別化とは要は「他者(社)とは違う」ことを明らかにすることであり、そのために「尖ったところを持つ」ことです。
「(容姿や得意なことが)全て人並み」「(価格や機能などが)他社と変わらない」のであれば、積極的にあなた(御社)を仕事や恋愛のパートナーとして選ぶ人(会社)はありません。
選ばれるとしたら、消去法で「まあ、このくらいで妥協しておくか」とかろうじて残してもらった場合だけです。
そんな選ばれ方はあまり嬉しくないですね(笑)

さて、事業に限らず、個別の商談、そして就職から恋愛・結婚まで、ことほどさように『差別化』は重要な意味を持ちます。
自分や自社。自社の商品・サービスのどこかを尖らせる。これが差別化。
そしてその尖った部分が相手のツボにグッサリ刺さることが「差別化が成功した」ことです。
つまりあなた(御社)が「元々持っている尖った部分」を望む人や企業こそ、あなたのパートナーであり、尖った部分がハマらない相手とは、元々縁がなかったと思えばよいのです。
だから差別化することにより、あなた(御社)のことを気に入らない、場合によっては嫌う人(会社)もどうしても出てきます。
八方美人にはなれないのです。
差別化は必然的に「選んでくれる相手を選ぶ」ことでもあります。
これが「戦略とは選択である」と言われる所以でもあるわけですね。


自分(自社)の差別化ポイントを気に入ってくれる人(会社)とだけ付き合う。
これが賢い(ある意味で楽な)生き方(事業経営)・・・ではあるのでしょうが、あなたはそれで満足ですか?
あなたのことを好きになってくれた異性がいたとしましょう。
それはあなたの「他人とは違う何か」に惹かれた、つまり差別化ポイントが相手のツボにはまったのでしょうが、あなたもその相手のことが好きな場合だけではないはずです。
本当に振り向いてほしい人が別にいたらあなたはどうしますか?
もうおわかりですね。
もし「どうしてもこの相手じゃないとイヤ」であれば、その相手のツボにハマる部分を尖らせるしかない。
『ターゲットに合わせた差別化』が必要なのです。
だから振り向いてほしい異性がいたら、その人が好きな音楽を自分も好きになろうと努力したり、勉強したりするわけです。
これはもちろん事業についても同様。
ターゲットとなる市場を明確に定義し、その市場(顧客)が望む差別化ポイントを見極め、価格であれば低価格化を、機能であれば他社を凌駕する機能を追求し、それをアピールしなければなりません。
その過程で「自社だけでは差別化が難しい」と判断すれば、尖ったところを持っている他社とアライアンスやM&Aを行うわけです。
このように一口に差別化と言っても、「既に持っている特性を尖らせる」だけでなく、「ターゲットに望まれる特性を新たに持つ」ことも考えなければならないのです。
「尖らせるべきは何か」これを状況やターゲットに応じて考える。
これが差別化の第一歩と言えるでしょう。

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