KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

2013年10月24日

自分の行動を中期計画で考える

あなたに『夢』はありますか?
将来どんなことをやりたい、またはどんな人になりたいですか?
この問いに即答できる人は、たぶん少ないと思います。
私もそうです。


夢を描き、そこに至るまでのプロセスを考える。
それを「かけ声倒れ」にしないためには、夢をいつ叶えるのかを明確にし、そこから逆算して5年後の姿と行動、さらにそこから逆算を繰り返し、明日の行動を決める。
私はこれを勝手に「ワタミ方式」と呼んでいます(笑)
そう、ワタミの創業者である渡邉美樹氏の行動基準であり、彼の著書『夢に日付を』は、この考え方を実践するための仕事術・手帳術のベストセラーです。
しかし、私はこの考え方に賛同できません。



誤解していただきたくないのですが、この「長期的な夢を具体的にスケジュール化し、実現させる」という考え方を否定するつもりはまったくありません。
「夢に向かって計画的にまっしぐら」は効率的ですし、それはそれで美しいと思います。
しかし、「夢があること」前提では、「まずは夢を持て」となります。
「夢が無いとダメ」なんてことはないし、夢は強制されて持つものではないはずです。
また、このやり方は「脇見や寄り道はダメ」であることも、私が賛同できないもうひとつの理由です。
そもそも、周囲の状況・環境とともに、人の心も「変わる」もの。
それなのに「まっしぐら」で頑張ることが、本当に正しいのでしょうか。
「状況が変わった/気が変わった」ら、もう一度スケジューリングしなおしですか?
それに、長い人生、脇見や寄り道をした方が楽しいと思うのですが。
飛行機や新幹線で効率的に目的地に着くのも良いですが、各駅停車の鉄道やバスに乗って、車窓の風景を眺めたり、地元との人と交流したり、時には途中下車して歩き回るのも、やはり人生という旅の醍醐味だと思うのです。


とはいえ、全て無計画、要するに「行き当たりばったり」も、これまた賢いとは言えません。
日々これ食べて行ければよい。
今が楽しければよい。
では、単なる刹那主義。大人のすることではありません。
そこで考えました。


「企業の中期計画と同様に、3年先から考えるのがちょうど良いのでは?」


3年後なら、そんなに劇的な環境変化はない。
また「こうなりたい」というイメージもしやすいし、実現性もそこそこあるものになるだろう。
そして実践してみました。
3年前、私が立てた中期計画は、「3年後のファシリテーションの国際カンファレンスで、英語でワークショップを主催する」ことでした。
そこから仲間との英語の勉強会に参加し、自身の英語力を磨きました。
また、ワークショップのコンテンツとして、海外のファシリテーターに紹介すべきものを探し、そのブラッシュアップを行いました。
さらに、講師・ファシリテーターとしてのスキルも磨いてきました。
その結果このブログでもご紹介した通り、先月開催されたIAFのアジアカンファレンスで、この目標は達成されました。
正直言って、数年前は自分が国際カンファレンスでセッションを持ち、そこで英語でレクチャーとファシリテーションを行う姿など、想像もできませんでした。
英語なんて、全然ダメでしたから(笑)
もちろん私一人の力ではありません。
上司や同僚、そして勉強会でともに汗をかいた仲間がいたからこそ、この中期計画は実現しました。
しかし、それもこれも、この中期計画を立てなかったら、得られなかった協力です。


こうして、私の考えは、今のところ実現性・実効性ともに間違っていないと考えています。
もちろん、これで終わったわけではありません。
次の3年後の中期計画も立てようと思っています。
内容はまだヒミツですが(笑)


さて、この考え方では、「どのくらいのハードルを設定するのか」がポイントとなります。
普通に今まで通りやっていれば、達成できることを目標にしてもしょうがありません。
かといってどう考えても無理そうなことを目標にするのも、また愚の骨頂。
「けっこう頑張ればできそうなこと」「一緒に頑張るための仲間が見つけられそうなこと」
これがキーになりそうです。


あなたも、中期計画を立ててみませんか?

メルマガ
登録

メルマガ
登録