KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

2014年10月01日

” Double Bottom Line “での企業評価

毎日10分程度でははありますが、スマホの英単語学習アプリで勉強しています。
そうすると、しばしば「へー、なるほどね」という単語に出会います。
先日も”frienemy”という単語(”frenemy”と表記する方が一般的みたいですが)がそのアプリで出てきました。
これは「友人のふりをした敵」の意味で、確かに”friend”と”enemy”の合成語であり、妙に感心してしまいました。
また、「自分もfrienemyには気をつけなきゃ」とも思いました(笑)
そして昨日は、”double bottom line”という言葉に出会いました。
「2つの最終損益? なんのこと?」




元々”bottome line”とは会計用語で「最終損益」を意味します。
損益計算書の一番下に書いてあるので”bottom line”なんですね。
これが”double”いうことは・・・別に裏帳簿を意味するわけではありません(笑)
実はこの言葉、「損益という従来の評価指標だけでなく、社会性、つまりCSRへの取り組みも、企業の評価指標とするという考え方」を意味する言葉です。
だから”double”なわけですね。
たとえば投資家も、今や財務諸表の数字や今後の計画、市場動向だけでなく、「社会にとって良い企業か」も加味して投資判断をしています。
また、以前もここで述べたように、個人顧客や企業・公共機関の法人顧客も、従来のコストパフォーマンスという購買基準に加え、やはり「社会にとって良い企業か」も判断基準になっています。
今や全ての営利企業が、この”double bottom line”とは無縁ではないのです。
いや、たぶん営利企業だけでなく、NPOであれ公共機関であれ、”double bottom line”という視点は必須とすら言えるでしょう。
ただ、当然この「収益性」「社会性」というふたつの評価指標の優先順位は違ってきます。
たとえば自治体などの公共機関は、やはり「社会性」、つまり「地域のためになっているか」が、「収益性」、つまり「健全な歳出入のバランス」より優先されるでしょう。
NPOやNGOなどもそうですね。
しかしこれが営利企業になると・・・
最近でこそ一般的になりましたが、いわゆる「社会起業家」が立ち上げるビジネスは、収益性と社会性はほぼ同じレベルの優先順位かもしれません。
そして純然たる(ある意味伝統的な)企業では、やはり「収益性」の方が「社会性」より優先されていると言って良いでしょう。
しかしこの「社会性」追求する部門(たとえば社会貢献室)が、「コストセンター」として従来の事業で出した利益を「食いつぶす」だけの存在だとしたら、それはあまり(全くとは言いませんが)意味があるとは言えません。
実際、従来の「CSRの追求」は、「フィランソロピー」と呼ばれた「利益の社会還元」であり、多くは自己満足やイメージアップの手段でしかありませんでした。
そして利益の社会還元であるフィランソロピーは、「利益が出なかったらやらなくてよい」とも言えますから、これではサスティナブルなCSRは望めません。
そこで昨今叫ばれているのが、「収益と社会性の両立」であり、それを実現するための「社会に貢献すること自体が、収益向上に寄与する仕組みづくり」です。
ですから最近は、「社会貢献は社会貢献部門の仕事ではなく、マーケティング部門の仕事だ」とすら言われるようになっています。
そしてこのコンセプトから生まれたのが、「飢えた人に魚を与えるのでなく、魚の取り方を教える」という「BOPビジネス」。そして「コーズリレイテッド・マーケティング」です。
以前ご紹介したので、ここではその説明は割愛しますが、コーズリレイテッド・マーケティングについては、ちょっと古い記事ですがネピア(王子製紙)の事例をご紹介しましょう。
この記事にもあるように、彼等の取り組みは顧客である消費者、そして小売店などの流通からも支持されていたことがわかります。
まさに個人。法人ともに”double bottom line”を重視していると言えます。
さて、あなたの会社で、この”double bottom line”はどう考えられ、活用され、そして根付いているでしょうか。

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