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ファカルティズ・コラム

2020年01月16日

新たな「顔」をつくろう

2020年一発目のエントリーは「顔」について。
モノゴトは、様々な顔を持っています。
私という人間で言えば、講師・父親・特撮オタクなど、時と場面によって様々な顔を使い分けています。
あと5分「も」あると思うのか、それともあと5分「しか」ないと思うのか、失敗を「恥」と思うか「成長の糧」と思うのか、これらも同じモノゴトの持つ別の顔です。
見方を変えてみる、いわゆる「リフレーミング」です。
それによってモノゴトがポジティブにもネガティブにも見えてくる。これは大事なことです。
そしてこれは、私たちが周囲のモノゴトを見るときだけでなく、自分が、あるいは自社の商品やサービスが、「どのような顔を相手やステークホルダーに見せると良いのか」を考える際にも重要です。
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まずは人で考えてみます。
自分の特性として「人付き合いが苦手で口数が少ない」というのがあったとしましょう。
さて、こういうタイプの人はどんな「顔」を他人に見せているでしょうか。言い換えれば、こういう人はどんな人として他者から認知されるでしょうか。
ネガティブに認知すれば「暗い人」でしょう。
しかしポジティブに認知すれば「寡黙な人」となる。「余計なことは言わない真面目なタイプ」と思ってもらうことも可能です。
真逆のタイプの人が、「気さくな人」「社交的な人」とポジティブにとらえられたり、反対に「馴れ馴れしい人」「チャラい人」とネガティブにとらえられるのと同じです。
であれば、「寡黙な人」という顔(キャラ)を確立できるよう、少なくとも「暗い人」と思われないよう工夫すれば良いのです。
たとえば自分からは話さなくとも、人の話は目をちゃんと見て聞く、メモを取る、などできることはいくつもあるはずです。
これが「新たな顔をつくる」ということです。


これは人だけではありません。
先日、あるコンビニチェーンでの研修があり、そこで参加者に「コンビニの新たな顔」を考えてもらいました。
コンビニの新たな顔として「どのような場/仕組み」が考えられるか?
様々な意見が出ました。たとえば…
1. 行政からのアウトソーサー
2. ひとり暮らしの冷蔵庫
3. 出会いの場
などなど。
1. に関しては既に公共料金の支払いなどができますが、広く「アウトソーシング」と考え、行政が困っていることは何か、を考えていただきました。
そうすると「投票所」といった、より具体的な「顔」も出てきました。
法的な壁はあるのでしょうが、設置された端末を使った「コンビニ投票」が実現し、さらに投票よってポイントも貯まったりすれば、投票率は上がりそうですし、コンビニも集客効果が望めます。
また、2. では不動産デベロッパーと組んだ「1階がコンビニでそこで買った物は必要なときにダクトで部屋まで配送される」といったマンションのアイデアも出ました。
部屋に冷蔵庫を置かなくて良いと部屋も広く使えますし、食材のシェアリングなどもできると、住みたい人も多いのではないでしょうか。
3. でも「高齢者が同じ趣味の人を見つける場」など、様々な具体的な顔のアイデアが。
このように、「新たな顔をつくる」ことは、新規ビジネスを考える上でも重要です。


年の初め。
あなた自身は、そしてあなたの会社や事業・商品は、今年どのような「新しい顔」をつくりますか?
ぜひ時間を作って考えてみてください。

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