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ファカルティズ・コラム

2008年04月25日

『職種』とは?

  社長というのは職位ではなく職種なんです。
  
   原田泳幸 (日本マクドナルド 会長兼社長)
この言葉、原田さんは前職のアップルコンピューター社長時代から言われていますが、皆さんはこれを聞いて(読んで)何を考えましたか?
原田さんはこう続けています。
「社長という職種を持っている人と、マーケティングの一担当という職種の人、販売の一担当の人、それぞれの職種を持った人がフラットなコミュニケーションでダイナミックに仕事をする、「誰もが誰に対して発信してもいい、価値を感じないことは無視してもいい」ぐらいやると、みんな働くと思います」(日経BPonleneから引用)
つまり、ひとつの組織で働く人間は、『職種』としては元々フラットな関係にある。だからこそ様々な職種の特性を活かしたコラボレーションが可能かつ必要であり、またその方が仕事へのモチベーションも上がる。ということでしょう。
しかしながら、これができていない組織と個人が大半。
『職位』に縛られ、上に対してモノが言えない部下。
『職位』に縛られ、高圧的に言うことをきかせようとする上司。
これでは、フラットなコミュニケーションもダイナミックな仕事も生まれてきません。
しかし、そもそもこの『職位』や『職種』とはなんなのでしょうか。

原田さんの言葉から私なりに考えたのですが、『職種』とは、『職務』と『職位』に分解できるのではないでしょうか。
つまり“営業主任”や“財務部長”“○○株式会社社長”といった肩書きが、この定義では『職種』になります。
次に、『職務』と『職位』をもう少し詳しく考えてみましょう。
世の中には、多種多様な『職務』が存在するわけですが、こうした職務の違いは、具体的に何の違いで区分けできるのでしょうか。
私は、それは“職務に必要な専門性の違い”だと考えます。
では、同様に職位の違いとは?
それは“職位に必要な権限の違い”でしょう。
これらのことから、『職種』とは、専門性と権限のマトリクスで規定された、オフィシャルな役割(機能)が成文化されたもの、と考えることができます。
このことから何が言えるか?
まず、職務が同じであれば同じだけの専門知識・スキルが必要ということです。
同じ営業部に所属しているのなら、課長であろうが新入社員であろうが、取扱商品の知識は全員が持っているべきですし、コミュニケーション・スキルも全員が営業としての最低限のレベルを満足させていなければなりません。
そして職位が上になるほど、何かを決めたり指示したりする権限が大きくなるわけですが、それはより重大な案件を意思決定する、という義務と背中併せです。
また、権限の大きさに比例して責任も当然大きくなります。
「そんな細かいことは担当に聞いてくれ」
「僕はまだ新人なのでわかりません」
「これでいきたいって言ったのはお前(部下)だろう。俺は知らんよ」
などという言い訳は、プロとしては本来してはいけないのです。(あえて理想論を述べていますが)
職務が変わったのなら、その職務に必要な知識やスキルを学ばなければいけません。
どんな職位かは関係ないのです。
そして職位が上がったのなら、権限を行使するための知識やスキルを学び、かつ度胸や強い責任感など、メンタルな部分も磨かなくてはならないのです。
しかしながら、『職務』と『職位』の融合である『職種』を深く考えいてない人がほとんどであることは、組織にとっても本人にとっても大きな問題だと思うのです。
皆さんも、今一度ご自分の『職種』を考えてみてください。
職務に必要な知識やスキルは持っていますか?
職位にふさわしい知識やスキル、そして精神力は大丈夫ですか?
「どこへ行っても俺は俺、今まで通りにやるだけ」
「部長になったけど、基本何も変えるつもりはないから」
ではダメなのですから。

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