ファカルティズ・コラム
2008年10月30日
「整理して考える」とは(中編)
先週は更新サボってすいません。
とてもありがたいことに研修、それも泊まりがけが最近多くて・・・
言い訳はこのへんにして。
さて、前回は
◇整理して考えるとは「分けて考える」こと。
◇その分け方には以下の2通りがあること。
(1)分解:大きな(抽象的な)モノゴトを細かく切り分ける。
(2)分類:細かくたくさんのモノゴトをいくつかにまとめる。
ということをお話しさせていただきました。
そしてそれを踏まえて
「なぜ私たちは勉強しないといけないのでしょうか?!」
という問いに答えるには、上記(1)(2)のどちらを使って「整理して考える」べきなのか?
そしてどう答えることができるのか?
という宿題を出させていただきました。
いかがでしょう。
あなたなりの答は出ましたか?
私なら・・・やはり(1)の「分解して考える」を選択します。
まず、この「なぜ勉強しなくてはならないのか?」という問いが、なぜ答えにくいかを考えてみてください。
それは“勉強”という言葉が抽象的だからではありませんか?
だからこの勉強という言葉を分解してあげれば良いのです。
まず、『「何を」勉強するのか』という切り口を使えば、教科別に分解できるはずです。
そうして、「数学を勉強する理由」「国語を勉強する理由」を考えれば、ほら、様々な答が思いつきませんか?
さらに分解していけば、もっと具体的に考えることができます。
たとえば、社会科は歴史や地理、政治経済に分解できます。そこから「なぜ歴史を勉強するのか?」と考えれば、「戦争などの過ちを起こさないように(先人の失敗から学ぶ)」や、「偉人達を人生のお手本に(モチベーション向上)」など、様々な答がどんどん思いつくはずです。
また、切り口は教科別だけではありません。
たとえば『「いつ」勉強するのか』という切り口を使えば、年代別に分解できます。
そうして「小学校で勉強する理由」「中学校で(以下同)」・・・と分ければ、やはり様々な答が見えてくるはずです。
これが「分解して考える」ことの効果です。
抽象的なモノゴトを抽象的なまま考えようとするから、答が見つからないだけなのです。
これは考える時の基本です。
たとえばあなたも、仕事において何かの問題の原因を考える時に、「内部要因と外部要因に分けて考えてみようか」と思ったことはありませんか。
これも実は、この「分解して考える」ことをやっていたのです。
何かを考えようとしていても、答がなかなか見えてこない。
そんな時はこう考えてみてください。
「抽象的なテーマを抽象的なまま考えようとしていないか?」
そしてその答が「YES」なら、次はこう考えてみてください。
「何と何に分けて考えることができる?」
これで切り口、つまり分け方が見つかれば、そこからきっと様々な答が思いつくはずです。
さて、「分解して考える」ことの意味とやり方は、なんとなくご理解いただけたかと思います。
しかし「整理して考える」には、もうひとつ「分類して考える」があります。
「細かくたくさんのモノゴトをいくつかにまとめる」のは確かに分類のことだと理解しても、それを思考に応用するとはどういうことなのか。
次回はこの点についてお話ししていきたいと思います。
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