学びの体験記
2015年08月11日
未来は現在の意思決定と勇気によって創られる~慶應MCCに参加して~
「未来は現在の意思決定と勇気によって創られる」
このタイトルの言葉、実は私の会社の机に貼ってある、いわば私の座右の言葉なのです。この言葉との出会いは慶應MCC安藤浩之先生の「ケースで学ぶ意思決定」でした。思い起こせば慶應MCCの経験は、ほんの少しこの言葉を実践できたのではなかったかと回想しつつ、皆様の何かのお役に立てばと想い、私のMCC体験を駄文にしたためた次第です。
私が慶應MCCの門を叩いたのが、今からちょうど3年前。当時、某頭痛薬のブランドマネージャーをやっていた私に会社から「もっと勉強しろ!」との命がくだり、これはチャンスと想い、いままで行ったことのない学校で、しかも自分の学びたいテーマを組み合わせられ、しかも与えられた経費50万円を会社の指示である期間1年間で使い切れるということで、会社から提示された複数のビジネススクールから慶應MCCを選択しました。
選んだ授業は、
- 「決めないと何も始まらない」と日頃想っていたのでタイトルに惹かれた安藤先生の「ケースで学ぶ意思決定」
- 同期の慶應MBAから講師先生の噂を聞いていた本業のマーケティングは、余田拓郎先生の「マーケティング戦略」
- 組織は人、ブランドチームを率いる中で悩んでいた人材教育を川上真史先生の「部下を育てるマネージメント」
と、当時関心のあった3テーマに絞り連続的に参加しました。
参加して、まず驚いたのが、事務局の方々が大変熱い想いで取り組まれていること。私が過去に経験した他のビジネススクールにはない“熱さ”でした。また、優秀な方が集まっているということを動物的直感で感じ、“これは負けられない”と闘争心に火がつきました。
こういったスクールは利害関係のない方々が一同に会し、普段の自分を知っている人もいないということで、自分が変化できるチャンスです。闘争心の影響もあり、「より積極的な自分を演じてみよう」と基本コンセプトを決めて参加しました。
発言は最初に、できれば一番目にする。MLも積極的に書き込む。「恥は搔き捨て」の精神で、少し背伸びした自分を演じようと誓いました。今でも交流が続く「ケースで学ぶ意思決定」のクラスメイトからは、「昔から前に出るタイプじゃないのか」と言われそうですが、このような背景があったのです。
実際のMLの書き込みはSession2からでしたが、参加者では最初の書き込み。その記念すべき書き込みをここに掲載すると、こんな調子です。
『安藤先生の講義中に出る示唆に富んだ言葉、前回の講義では「ほんとうの企業の力は、”結びつける”こと」という言葉などが、大変意味深くポイントをついた言葉として、しみじみ感じています。ということで、安藤語録「リーダーへの言葉」を独断と偏見で講義2回分まとめてみました。
<安藤語録「リーダーへの言葉」>
第1回
- 考えすぎれば全てハイリスクになる。
- 戦略変更のターニングポイントは限界リスクの前にやってくる。(そのためにアーリーウォーニングサインを決めておく)
第2回
- ほんとうの企業の力は“結びつける力”:顧客ニーズを商品開発に結びつける、社内の組織と組織を結びつける。
- “くどい”の意味は9回はクドイが8回までは言い続けること:多くの対話がないと利害の調整は出来ない。人々の心を変えるのは、わかりやすく繰り返し言い続けることが必須。』
(以上、当時のMLより引用)
なかなか評判も良く、事務局の担当の方から「次回も安藤語録期待しています」という書き込みや、参加の方々の後押しもあり、毎回MLを掲載せざるを得ない状況になってしまいました。語録をやらなければ「まぁ、今回は忙しいからMLは遠慮しておこう」という、いつもの自分になってしまったかと想いますが、まさに参加された皆様に背中を押されて、「意思決定」と「勇気」で毎回MLを書く自分になっていました。
次の余田拓郎先生のマーケティングでも、毎回MLに投稿しようという積極人間に変化できたようです。余田先生の講義では、先生がマーケティング老師に想え、ヨーダ語録(私、Star Wars好き。余田先生、失礼しました。)として、毎回投稿しました。
語録化するということは、短い言葉で前回の講義をまとめる大変良い訓練になり、今でも時折見直すことで、当時の状況も浮かび、慶應MCCを使い切るには良い方法のように思います。皆さんも、“語録化”を試してみてはいかがでしょうか?
このような積極的なMCCへの参加で、日頃の業務で今まで意識していなかった「意思決定」のタイミングを事あるごとに考え、本業のマーケティングでは何時も限られた「戦略の引き出し」しか開けてなかったと気付き、他の「戦略の引き出し」も開けて見るようになりました。
とくに、はじめての学びであった川上先生のキャリアの話は、自分の専門分野ではなく普段あまり接していなかっただけに、チームメンバーの観方とチーム力を変える大きな機会となりました。さらには、自分のキャリアを考える上で大変役立っています。
今回のMCCで複数の学びを通して、あらゆるテーマ、あらゆる角度で“学び”を続けることが、仕事の一環だと認識しました。また、学び続けるためには、一緒に学ぶ仲間との交流が、学びの歩みを止めない秘訣かもしれません。とくに意思決定のML仲間は現在まで続いており、仲間達の活躍や学びの姿に刺激を受けることが大です。
大げさですが、一度の人生、いろいろな自分に変化し、いろいろな人生を経験できればと想っています。「一生勉強、一生青春」はご存知の相田みつお先生の言葉ですが、「一生変化、そのために一生勉強」のように想います。その意味で、この言葉、そして慶應MCCでの経験で、少し自分が変化できる契機として意味があったように想えます。
さらなる変化のために、そろそろ慶應MCCを覗いて見る時期のような気もしつつ、最後に座右の言葉を全文ご紹介して幕とさせて頂きます。
「未来は過去の延長線上だけにあるのではなく、また、未来は向こうのほうにあるものではなく、現在の意思決定と勇気によって創られるものである」
Herbert G.Hicks(安藤浩之先生訳)
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