KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

学びの体験記

2015年04月14日

自分の在り方を変えると、周りも変わる

鈴木 美和(ひよこ)

知的基盤能力 マスタリーコースを修了して

20150414_01.gif

2014年の年明けからスタートした6つのプログラム。当初私は1年と数ヶ月で修了する計画でしたが、途中で履修計画を修正し、年内での修了となりました。
これから自分が切り拓きたいキャリアに必要な知識とスキルを、体系的に学ぶ目的でこのコースに参加しましたが、ある一定の時間をかけて学びを反芻させると、新たな気づきが産まれ、そこから次の道が拓けた感覚が全てのプログラムで得られました。一見すると業務に関係しないようなプログラムでも、関連付けて学べたことが、結果としてその業務においてもいい成果を出すことができました。
以下、それぞれのプログラムで学んで得られたことを綴っていきます。

財務諸表の読み方・活かし方」は、かつて学んだ知識を再び学ぼうと選びました。その結果、会計を遠ざけていたのは、ツールそのものや自分の業務との関わりではなく、自分自身の会計に対する扱いであったことに気づきました。先生の、身近なツール(企業のIR情報や新聞)を用いたレクチャーを通して、自分の心がけ次第で課題は近づいたり遠ざかったりするという気づきが大きく作用しました。ティーチングにおいても大きな学びであったことに感謝です。

ビジネスデータ分析」では、HowよりもWhyの要素、考え方を学びました。どこからデータの材料を集め、仮設検証型の加工を加え、求めるデータにするのかが課題でした。しかし、「レシピライディング」の手法と考え方を得ることで、これまでの「これだけしか分析できない」から、設定したゴールに向けて、「あれもこれも分析できる」と自分の捉え方が大きくシフトしました。

システム思考×デザイン思考」では、日々の業務において、斬新なアイデア創出におけるTipsを得ることができました。チームでイノベーティブなアイデア(=「見たことも聞いたこともない」でも、「言われてみれば当たり前」で、「物議を醸す、賛否両論になる」アイデア)を全6回のセッションで実践しました。そのプロセスで醸成されたチームの一体感やフロー体験は、この後の「協奏チーム・コミュニケーション」と繫がるものがありました。一人でやるより、個性あふれたメンバーでお互いを認め合いながら新たな価値を創造するプロセスを体感できたことが大きな糧になりました。実践、経験は裏切らないことを証明してくれたプログラムでした。また、一連のワークショップには、利他の欲求、他者貢献を追求する信念もあったように思えます。それらの源となる先生の幸福学にも触れることができたのはとても幸運でした。

プロジェクトマネジメント」と「協奏チーム・コミュニケーション」の2つは内容が連動していたプログラムでした。プロジェクトの遂行には、ヒューマンスキル、例えばEQ(心の知能指数)の要素も必要とされる、というレクチャーがセッション内でありました。それは「協奏チーム・コミュニケーション」(※現・チーム開発リーダーシップ)で触れたコーアクティブコーチングにおける各種の概念、アクションをも指しているのではないかと思いました。プロジェクトのゴールがいくら素晴らしくても、その成功はメンバーのマインドに依るところが大きいならば、それぞれの才能、強みの違いを活かせたらどれだけ素晴らしいイノベーションが起こせるだろうか…と考えながら受講していました。これはシステム思考×デザイン思考の学びも大いに関係し、右脳と左脳を両方働かせて、各セッションで計画の概念を学び、実践をイメージしながら計画書を作成し、実際に進めているプロジェクトで学びを実践してみたりしました。

振り返ってみると、全ての一連のプログラムの学びの「点」が、実践により「線」でつながった1年間でした。プロジェクトマネジメントで得た学びから、前からやってみたかった”開発支援プロジェクト”のスキームとプロジェクト管理のハウツーを作りました。そして、システム思考×デザイン思考で学んだツールを使い、社内の多部署メンバーと取引先とでイノベーティブなアイデアを”脳を繋げて”創り出し、そこから新しい試作品を作りました。そのあとは、ビジネスデータ分析で学んだレシピライティングの概念、分析ツールを使って、その試作品に対するユーザーアンケートを設計・実施、分析し、提案用の裏付けデータに利用しました。そのプロジェクトを進める中で、協奏チーム・コミュニケーションで得た経験を活かし、メンバーのプロジェクトに対するビジョンとミッションを随時共有し、時にはメンバーの「上手くいかない」「もやもやとした」気持ちに寄り添いつつ、その時々で軌道を修正し、前進させることができました。

メンバーの気持ちに誠実に対応し、プロジェクトを進める原動力に活用したツールは「エナジャイズド・アサーション」(※現・エナジャイズド・コミュニケーション)で学びました。マスタリーコースで最初に学んだのはこの「エナ・アサ」でした。このプログラムでは、潔く、爽やかで、穏やかな自己主張の理論と実践を学びました。エナ・アサを最初に学んでから一年が経ちましたが、最近になって、その重要性をより強く感じていたところでした。

人が何かをやろうとする時、大なり小なり必ず障壁があります。それを解消するにはその場における関係性へのアプローチが不可欠であると思うようになりました。特に自分自身においては、育児休暇から復職し以前のように残業ができなくなり、子どもの病気で繁忙期に休暇を取ることも増えました。そのため、自らの効率性を上げるだけでなく、周囲のメンバーに、時には「助けてほしい」と主張し、また、同時に自分から率先して周囲のメンバーを「助ける」ことも増えました。その際、メンバーの気持ちをまず重視して、チーム内に流れるお互いの関係性をより良くすることで、自分だけでなく、他のメンバーの仕事もより早くなり、パフォーマンスの質も向上し、皆が新しい仕事にチャレンジできる体制が取れるようになってきました。

そして最近、その一連の体験談をエナ・アサで学んだツールも活かして、私が出産、復職後から参加しているキャリア勉強会にてシェアするという機会を設けることができました。そこで私がシェアしたのは、アサーションの基本的な考え方とツール、そしてそれを日々実践で活かすTipsと、活用することで得た私の体験、そしてこれまで抱いていた固定観念の変化、でした。
シェアする立場になると、よりその細部認識を深めることになり、自分にとってさらなる学びの経験をしました。シェアすることってとても贅沢なことだなぁと、いう想いです。

以下は勉強会の資料(一部)と、感想を寄せてくださった方のブログです。

20150414_02.gif

参加された方からいただいた感想(ブログ)
「ワーキングマザーのつれづれ読書日記」
http://luciebook.exblog.jp/23717966

予想していた以上に早く全てのプログラムが修了してしまうと、少し寂しい感覚があります。ただ、それぞれのプログラムでの学びと実践の内容は毎回刺激的で充実しており、ひとつひとつが今の私の血となり筋肉となっていることを感じています。

この1年での学びは、私自身の今後の人生をより豊かにすることになったのは間違いありませんし、「自分がなぜ生まれてきたのか、何の為にこの人生を生きるのか」を見つめるための学びであったのだという想いを強く持ちました。感謝の気持ちはここでは書ききれませんし、まとめることも自分にはとても困難な状況になるくらい胸がいっぱいです。人生はまだまだ長いですし、これからも自分らしさを追求して、今後も学びの姿勢を持ち続けて、社会に貢献していきたいです。

メルマガ
登録

メルマガ
登録