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学びなおし、自らを知る

2019年08月13日

上田 享司

新しい環境に身をおくことで自分自身をこれまで成長させてきた自信があったのですが、どうも職責に自分が追いつかなくなってきていることを感じていました。どこに原因があって、どう手をつけるといいのか、自分ではわかっていなかったことがさらに問題で、おそらくは大幅に成長をさせる、OSのバージョンアップが必要な時期だったものと思い返されます。そんなころに慶應MCCを同僚から教えられ、自分の成長の停滞感を打破したい気持ちで、知的基盤能力マスタリーコースに参加しました。

結果、学びの日々は非常に実りあるものとなりました。なにより社会人になってからの学びがこれほど楽しいとは思いもよりませんでした。

考えてみると、授業らしいものはこの20年あまり受けておらず、そしてこれまでの経歴を通じて自然科学の講義しかとったことがないわけで、社会科学の講義とケーススタディを通じたアクティブラーニングが本当に新鮮でした。そして、数多ある場面と幾多のヒトに意義を発揮し続けてきた理論を学ぶことができ、これらが自分に役に立たないわけはありません。

  1. グローバル・リーダーシップ (講師:一條和生)
  2. 戦略を実現するマネジメント (講師:安藤浩之)
  3. 戦略的交渉力 (講師:田村次郎・隅田浩司)
  4. 経営戦略-危機に立ち向かう経営の条件 (講師:清水克彦)
  5. 部下を育てるマネジメント (講師:川上真史)
  6. 成果と成長のリーダーシップ (講師:野田 稔)

社会人での学習が素晴らしいと実感できるところは、まさにいま自分が求めていることを選んで受講して、それを職場にかえり即実践できるところにありました。

自身においては、職場を変えて、自分のチームを創るというタイミングで受講しました。
これらの講座でこれだっ、と感じたことをチーム創り・チーム運営の礎とし、そして自分のリーダーシップを見つけることができました。自分の得てきた経験に学んだ理論を掛け合わせて深みが増し、そして自分の経験が不足しているところを理論で補いすすむ、こういう正の関係のもと自信をもって仕事にあたることができました。

これまでの仕事のスタイルとして、左脳・論理性ばかり使って取り組んでいました。しかし、これではプレイヤーの域を脱することができない、右脳・感情も等しく発揮することで周りに影響力をあたえることができる、と一條先生と野田先生から教えていただきました。

わかっちゃいるけどわかってないことが、たくさんありました。
現実は見通しがわるく、不測の事態も数多く起こる中で、本当に理論を活かすには、原則をしっかり知り、現実を直視することが必要と、安藤先生と清水先生に教えていただきました。
一緒に働いてくれる部下が仕事に面白さを憶え自ら成長するためには、上司がいかに気を配って力を発揮できる環境を整えなければならないのか、思い知りました。田村先生と隅田先生の「交渉学」を知ることで、自信をもって部下に難しい営業活動に挑ませることができるようになりました。結果、自分のOSバージョンアップがすすみ、それが影響してか、事業部に風通しの良い雰囲気がつくられ、主体的に仕事をおこなう気風とともに優れた業績も生み出してくれました。

とはいえ、これで万事うまくいくというものでもありません。簡単に手が届く成果は得られましたが、真の成果が得られるかどうかはこれからです。とりわけ、失敗から学ぶことが、いまだ消化不良のままにとどまっています。
成功から学び変革をやり切る、失敗から学び構造化し解決する、これはいまでも相当に難しい。まさに、わかったつもりが実はわかっていなかったという部分で、無知の知に謙虚に向き合うことがこれからの一番の課題です。そして、組織を挙げて知識の創造に導くフロネシス・リーダーにははるかにまだ届いていないことを痛感します。チームのメンバーが自ら動き、暗黙知を積み重ね形式知を創り共有する取り組みをようやく始めたばかりです。

未来をともに創りだすことを追求し
知性を有し人徳を育み
正直な姿勢で向き合い
理想と道筋と期待を
見えるように語るリーダーになる

取り組んでいる事業も曲がり角がいずれ来ますし、チーム・メンバーが本当に成長するのはこれから、そして自分が本当に成長すること自体がこれからだ感じます。まだヒトとビジネスを俯瞰する見識と人徳に足りませんが、相反する論理と感情が行き交う中においても、世の中が目指すところを指し示す存在となりたい、と切に思います。いまは、らせん階段を上ってちょうど一周した感じでしょうか。もう一段高いレベルにいき、世の中を少しよくすることができるよう、これからも自分なりのリーダーシップの実現を目指していきます。

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