KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

学びの体験記

2005年10月11日

「私のキャリアの源=幼少からの学び」

西前純子
キリンビール株式会社 人事部 人材開発担当

“キャリア”というと色々な意味、解釈があるが、自分のキャリアを考えるにあたっては、過去そして現在の自分としっかりと向き合い、その上で自分がこれまで得たものを活かして将来に向かって何をしていくか、が大切だと思っている。
まず、まだ短い人生ながら(現在33歳)これまでのキャリアを考えると、次の2つが幹にあった様に思う。

  • 迷ったり悩んだりしながらも自分で決めて、決めたからには楽しくがむしゃらに努力し続けていたい
  • 迷ったり悩んだりしながらも自分で決めて、決めたからには楽しくがむしゃらに努力し続けていたい

これら2つについて記憶を遡って考えてみると、幼少の学びの影響大、という事に気付いた。何れも両親と母校(中高)から学んだものだ。
小学生の頃から何か迷った時に母親からいつも言われていたのは“自分で決めなさい。そして決めたことは結局自分に一番跳ね返ってくる筈”といった事だった。そう言い続けていた母親の本心は確かめたことがないが、当時の私はその言葉にビビり、遊びにしても、勉強にしてもやると決めた事は何とか自分にとってプラスの結果を出そうと一生懸命になっていた。そして次第にそれが当たり前になっていった。
更にこの姿勢を加速させたのは中学・高校だった。今思えば“自律を促す”のが教育のポリシーだった様で、“自分の考えを持つことが大切で、その権利は誰にでも平等にあり、様々な考えを尊重しなさい”とよく教えられていた。この様な有り難い環境にいたお陰で、自分でやりたい事を見つけてチャレンジすることが今では当たり前の様に自分の生活の一部になっている。
また母親からは“一生仕事を持って、仕事を通じて社会と接点を持ちなさい”といった事もよく言われていた。中学・高校でも同じ様な教えがあった。その頃から当たり前の様に、一生仕事は続けていきたいと思っていたし、自分がどんな事をやってみたくて、その為にはどうすればいいか、という事を受験や就職活動の要所要所で随分考えた。
そんな私に大きく影響を与えたのは父親である。高校の時点で理系科目が得意だったので将来は技術者になって専門分野に従事し続けよう、と決めていた。しかし銀行員である父親の経済や政治の話、ビジネスの話を聞いている内に、社会の事で自分が知っている事はごく僅かで、限られた範囲でしか行動しておらず、まだ会っていない人がたくさんいそうだ、と思うようになった。結局一つに絞るのは後からでも遅くないと思い、社会全体の仕組みが見えて、とにかく色々な人がいそうな大学に進学する事にした。周囲は180度の方向転換にかなり驚いていたが今でも良い選択だったと思う。次のステップに向けて悩み考えるための環境がその大学には十二分にあった。
現在は人材育成の仕事をしており、正に仕事でたくさんの人に会って、たくさんの事を知って、そこで学んだ事を仕事に反映させている。ただし企業に属する以上仕事を全て自分で選べる訳ではなく、営業としてちょうど自信を付け始めた頃にスタッフ部門に移ったり、その逆もあったり、でこれまで戸惑う事も多々あった。その時にとった行動もそれまでと同じ、“決まったからには楽しくがむしゃらに努力する”ことで、そうする事によって自ずとたくさんの人の言葉に耳を傾けることが出来、たくさんの情報が集まってきて、背を向きかけた仕事から色々なことを学び取る事ができた。
この2つの幹に沿った行動をこれまでくり返しながら現在に至っており、その結果として自分自身の身についているものがこれまでのキャリアそのものなのかと思う。自分が若干苦手とする勉強はあくまで枝葉を茂らせるためのものであって、早い時期にまず幹を太くする様な学びを得られた私は本当に幸せだ。
そして、これからのキャリア考えると幹を太く持ちつつ、もっと枝葉を増やす必要があると思っている。その為に仕事を通じて学ぶだけでなく、目的を持って勉強して知識を広げ、深めていきたい。そう思うようになってから、自分が興味を持つもの、逆に自分の関心が薄いもの、決めつけずにいろいろな講座にチャレンジしている。この一年は、今後のキャリアにおいて確実に機会が増すであろうと思われる“ビジネスの意思決定”に興味を持ち、慶應MCCの『ビジネスプロフェッショナルの意思決定』受講を皮切りにマーケティング、ファイナンスを勉強した。ファイナンスには苦手意識を持っていたが、いつもと同じ様に取り組めば結局は自然と楽しく夢中になり多くの仲間と学び合うことができた。
一方で自分のキャリアの事ばかりでなく、多種多様なキャリアを持つ人達が交流しあう事によって、学び合うことができる様な場を公私ともに何らか作っていけたらと思う。勿論自分もその中に入っていたい。そして自分が若い内(まだまだ若いが)に経験した様に、私より若い世代が自分のキャリアの幹を太くしていける様、サポートしていけたらとも思っている。その実現に向かってまずは自分自身が、コーチングスキルの習得等で他者とのコミュニケーション能力をもっとアップできる様、楽しくがむしゃらに努力しそして新しい何かを吸収していきたい。

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