学びの体験記
2010年02月09日
時々外側から眺める、ということ
梅田久美子
住信SBIネット銀行株式会社
このたびは、【てらこや】編集局/井草さんにご紹介を受け、このような場をいただけたことを感謝いたします。
とはいえ、何を書けばよいやら・・・その上、文章が上手とは言いがたいため、読みにくい等多々ありますことをご容赦ください。
これまで寄稿されている方は、会社の役職や年齢が上の方が多いため、まだまだ社会人経験の長いとは言えない私の慶應MCCとかかわるきっかけになった話から、同世代の方にも親しみを持ってもらえれば、と思います。また世代が上の方々には、こんな1後輩がいるんだということを知っていただければ、とてもうれしいです。
慶應MCCで授業を受けている時間は、私にとって、自分自身を、自分の勤める会社を、外側から眺める時間でもあります。
現在は転職しましたが、前職は新卒から勤続10年でした。新卒で10年も同じ会社の、しかも同じ部署に勤めていると、中のルールに染まり、愛着も出てくるので、なかなか自分のおかれている状況や、自分の勤めている企業を外側から見るという視点を得ることは難しくなります。そんな私が慶應MCCとのかかわりを持ったのは、2006年に受講した「ビジネスデータ分析」が最初でした。
理由は、「自分の仕事を学問として見たときに、どうなんだろうか?」という、とても単純なことでした。
当時、私の仕事のひとつに、データ分析がありました。顧客データは2,000万人、交通系の会社であったため、一日の利用者は数千万人というデータをいろいろと分析し、囲い込みのマーケティングをサポートする役割でした。
そもそも、お客さまと日々接する肌感覚での顧客ニーズはわかっているものの、マーケティングなどとは無縁の仕事をしていた私にとって、データを分析するということ自体が初めてなら、企業目線での考えることも、分析するシステムの操作もすべてが新鮮で、とても興味深いものでした。
しかしながら仕事が徐々に慣れていくうちに、 企業の中での「数字」のもつ力の大きさと重要性を知ることとなり、また、顧客データをいろいろと分析するという仕事は、個人情報の絡みもあり、非常に限られた人間にしか扱えないという事実も知りました。
一方、自分自身は、「前任者の引継ぎどおりの手順しかわからない」という自信のなさ、あくまでサポートという立ち位置であったため、分析の内容も自分でアレンジするというよりは、上司に指示に従ってということから、「自分の分析した結果は、本当に上司が、自分の勤める企業が、そして何よりお客さまが実際に求めるものなのか?」という疑問にあたりました。
それなら、「『データ分析』という学問があるんだから、基礎を勉強してみよう!」という、なんとも単純な発想です。少し勉強をすると、「データ分析に至るそもそもの考え方ってなんだろう?」ということで、さらに知りたい気持ちになり、「創造と発展のためのマーケティング・リサーチ」という授業を受けることへと発展していきました。
もちろん、発展する背景には、2つの講義をとてもわかりやすく楽しい授業をしてくださった、井上哲浩先生という存在はとても大きいと思います(井上先生、ありがとうございます!)。加えて、自費と有給利用とはいえ、週に1回、午後休みを許可してくれ、そのような授業に通わせてくれた当時の上司の存在も大きいと思います。
「私の知りたい」ということに答える以上のものが、慶應MCCにはありました。そして、授業を受けることで新しい人とのつながりができる、というすばらしいオプションもありました。それは、プログラム自体の質が非常に高いことも大きな理由のひとつです。いいものには、いい人との出会いと、いい影響があります。
特に、「創造と発展のためのマーケティング・リサーチ」では、20代、30代、40代、50代とさまざまな年代の人、自分とはまったく違う経験重ねている人たちとチームになり、仕事という枠を超え、利害関係もなく、ひとつの課題に、時には授業ではない時間に合わせて集まって純粋に取り組み、同じような仕事上での悩みを共有したり、アドバイスしあったりという経験は、何にも変えがたく、とても楽しい時間でした。
さらに、そこで得た知識やたくさんの人とかかわることで影響を受けて自分の中に生まれる考え方を元に、実践するフィールドを持っている「会社員」という立場は、とても楽しいものです。
そんな経験を28~30歳の時期に得られたことは、私にとってとても幸運なことだったと思います。
・外側から自分自身を眺める
・多くの人と知り合える
・純粋に楽しい
という、慶應MCCで得られた3つのポイントは、実は「学ぶ」ことの原点なのかもしれないです。
よく考えれば、「学校」ってそういう場所でした。(当時はそんなこと、思いもしませんでしたが・・・)
「会社員」という身分をいつまで続けるかは、私もまだわかりませんが、私の「学ぶ」という楽しみは、これからもずっと続けていきたいと思います。これからも、「学ぶ」ことで楽しそうな自分を、時々外側から眺めて、うれしくなったりしたいと思います。
そして、質の高いプログラム内容を提供してくださっている皆様に改めて感謝したいと思います。本当にありがとうございます。
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