夕学レポート
2014年06月05日
人はいろいろ、医もいろいろ、人生いろいろ、だから、レジリエンス 新見正則さん
Improbable!
そんなこと、あり得ないよな!でもそうだったんです。
オペラ椿姫を聴かせると心臓移植が上手くいきました。病は気から。脳が免疫をコントロールしています。
新見正則先生はこの研究結果でイグ・ノーベル賞を授賞されました。”something improbable”を理念とし、人々を笑わせ、そして、考えさせるな研究結果に与えられる国際的なイグ・ノーベル賞。会場が笑いにわいた授賞式の新見先生とネズミさんチームのスピーチは、BBCはじめ世界のメディアで報道されました。You tube でもご覧いただけますのでぜひどうぞ。
イグ・ノーベル賞受賞スピーチ
Something improbable!そんなこと、あり得ないよな!
以前はそう思われていたことが世の中で起こり、できるようになり、当たり前になったりもしています。インターネットもそうですし、山中伸弥先生のiPS細胞もそうでした。医療そのものも、同じです。サイエンスであり確かな答えがあるとは、私たちの思い込み。経験則にもとづいて、いま一番良いと思われていることをしているに過ぎません。Improbableが起こり飛躍的に進歩することもあれば、正しいとされていた方法や基準値が変更されることもあります。
人はいろいろ、何が効果があるかも人それぞれ。医療はグレーで、医療だって市場原理。ですから、自分で考え、選ぶ、という意識が必要です。新見先生のメッセージでした。
もうひとつ。世の中は平等で、良心や努力は報われる、と信じたいものですが現実には理不尽なこと、自分にとってありがたくないImprobableも起こりえます。だからこそ、どんなこともむしろ楽しんで、受け入れて、そのうえでなにができるかを考え向き合っていく力、が大切です。
レジリエンス。立ち直る力、回復する力、柳のように生きていく力です。新見先生が”最近気にいっている”言葉は新見先生の生きる姿勢でもありました。
【ご案内1】 講演のなかで紹介されたAEDによる救助映像はこちらです。
AED taka
海で溺れ、呼吸や心拍のない状態だったTAKAさんはAEDで命を救われました。どんな人にAEDが必要で、AEDが実際にどう命を救うのか、この映像を見るとよくわかります。その目的でyou tubeで公開されています。また、AEDの使い方は機械がすべて音声でガイダンスしてくれますし、救助しようとしている人がAEDを必要としているかも(不要な人にはうっかり処置しないように)判断・指示してくれます。自信をもって使って救助してください。とこれも新見先生のメッセージでした。
【ご案内2】 「私たちは長生きするために、生きているのではなく、充実した人生の結果、長生きできれば最高です。」新見先生のメッセージがつめこまれた近著です。
『患者必読:医者の僕がやっとわかったこと』
(朝日新聞出版、2014年5月)
【ご案内3】 慶應MCCメインキャンパスでは連続講座agora新見正則先生と学ぶ人間の体も開催しています。今年の秋も開講予定です、ご期待ください。
自分にとってのImprobableも変わりえる。新見先生がご自身のお話をたくさんしてくださったことでメッセージはより力強く響きました。
10年前までは… 長生きすることが目的であり、人生の勝ちだと思っていた。人間の体は薬で治り、手術で良くなる、漢方はサイエンスではないのにバカなことをやっていると思っていた。野良犬が実験で殺されるのも多少役に立っているのだから仕方がないし、患いをもって生まれた子どもが余命わずかなのは天命であるから仕方がない、そんなふうに思っていた。
それがいまでは、漢方を処方し、漢方について何冊も著されています。ご自身にも効き、西洋医の治療で良くならなかった患者さんが元気になっていきます。ペットを飼うようになったら愛おしい我が家の犬が迷子になって実験にされたりしたらとんでもないと思うし、愛娘がほんの2-3年でも長生きする可能性があるならば、生体肝移植でも何でもしたいと願う、そうです。人はいろいろ、人の考えも変わります。新見先生の講演を聞いて、著書を読んで、なにかよいほうへ変化があったとしたらうれしいです。(湯川真理)
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2024年7月19日(金)18:30-20:30
不易流行の経営学を目指して
~稲盛経営哲学を出発点として~
劉 慶紅
慶應義塾大学大学院経営管理研究科 教授
日本経営倫理学会常任理事
稲盛経営哲学に学びながら、人間性を尊重し、利潤追求と社会貢献の統合をめざす経営学理論を構築する、新論が真論となり、不易流行の経営学として結実することを目指して。
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『VIVANT』とテレビ局社員
福澤 克雄
(株)TBSテレビ コンテンツ制作局ドラマ制作部、演出家・映画監督
私にとっての道は、TBSにありました。『VIVANT』は、同じような夢を持つ若者たちの道標になってほしい、そんな思いも込めてチャレンジした作品です。日本のドラマ界、映画界を目指す皆様、夢はあるけど方法がわからない皆様の一助になればと願っております。
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