夕学レポート
2012年02月15日
【ラーニングNight!】
先週の金曜日、慶應MCCで【ラーニングNight!】という新しい試みをしたので、そのことを書きたいと思います。
【ラーニングNight!】は、慶應MCCの知的基盤能力マスタリコースの修了者&在籍者を対象としたクローズドイベントでした。
知的基盤能力マスタリコースの説明をすると長くなるのでこちら↓
<知的基盤能力マスタリコース>
マスタリコースの修了者&在籍者を対象にした勉強会や交流会は、これまでも定期的に実施してきたのですが、今回は、思い切り目的をシフトして、「新たな大人の学びを体験する」ことを狙いにしました。
全体の企画とファシリテイトをお願いしたのは、法政大学の長岡健先生
テーマは、「アンラーニング(unlearning)」
長岡先生流に分かり易く表現すると「学びほぐし」です。
「大人の学びとは、こういうものだ」という既成概念を「ほぐして」、「ムッ!これはいったいナンぞや」という違和感を味わおうというものです。
(「アンラーニング」「学びほぐし」については、長岡先生の回の夕学ブログをご参照ください)
具体的に何をやったかというと、「自画持参」というワークショップです。
参加者が、アイデアを持ち寄り、何かを産み出そうという創造的な場づくりのやり方として開発されたワークショップメソッドです。
参加者は、まずはウェルカムドリンクを手に取り、食べ易くワンフィンガーを意識した料理も楽しみながら、フランクな雰囲気で始まります。
具体的なやり方は、「自画持参」のwebサイトをご覧いただきたいと思いますが、さしずめ、ガチンコ素人大喜利大会といった感じでしょうか。
誰が当たるのか、どんなテーマが当たるのか、いつ当たるのか、全部がふたを明けるまでわからない環境で、突如スピーチをすることが求められます。
準備は2分、話すのは3分。脱予定調和、究極のコミュニケーション体験といったところでしょうか。
「これは柔らかい勉強会ではありません」「少し真面目なパーティーです」
という長岡先生の、わかるようでわからない案内の通り、どう展開していくのかわからない、不安定で、先の見えない環境で、少し戸惑う体験をしていただきました。
その戸惑いや違和感を他者と共有し合い、感じ方の違いや受け止め方のズレを認識することが、「学びほぐし」の第一歩になります。
参加者は、顔見知りも多く、通い慣れたMCCという環境もあったのか、すぐにその場に慣れて、積極的に、そして楽しく「ほぐし合い」にチャレンジしていただきました。
「こんなに飲んでやったワークショップは初めてだ。いつもは飲めと言っても飲まないのに...」という長岡先生の感想を、ポジティブに受け止めるべきか否かは、思案が必要なところではありますが、「新しい大人の学びを体験する」という目的の一回目としては成功だったと思います。(企画者の保谷さん、湯川さん、ご苦労さまでした)
昨年夏の夕学に登壇された哲学者の鷲田清一さん(当時大阪大学総長、現大谷大学教授)は、現代人に求められる知性として、梅棹忠夫さんの言葉を紹介してくれました。
「請われれば、ひと差し舞える人であれ」
準備はなくとも、いざとなれば、サラリと与えられた役割をこなしてみせる。そんな意味かと思います。
「オレが、オレが」と前に出たがる人間ばかりの集団はもろい。
「それは私の仕事ではありません」という人間ばかりの集団はつまらない。
いざとなれば「ひと差し舞える」人間が揃った集団こそが、しなやかでしぶとい。
そんなことを思った夜でした。
ラーニングNightは、第二夜、三夜と続けていく予定ですので、乞うご期待!!
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