夕学レポート
2005年06月02日
“志”の人 「人生の座標軸」 堀義人さん
堀義人さんと慶應、そしてMCCとは浅からぬご縁があるようです。
慶應MCCの看板プログラムのひとつ「ビジネスプロフェッショナルの交渉学」は、講師の田村次朗先生(法学部教授)が掘さんと旧知であったことから、グロービスの協力を得て開発されました。更には、きょうの講演ではじめて知りましたが、堀さんのおじいさまは、藤原工業大学(慶應理工学部の前身)の学長でいらしたとのこと。
そんな関係もあって、きょうの夕学も快くお受けいただきました。
講演は、堀さんの留学時代の体験からグロービス起業に至るまでの経緯からはじまり、主題である人生観・生き方論へ展開し、更にはグロービスグループの将来ビジョンまで、堀さんのパッションが迸る熱い時間となりました。実は、私は堀さんと同年代で、グロービスを起業された92年は私が社会人教育業界に足を踏み入れた年でもあります。わずか10余年の間に、グロービスを日本No3のビジネススクール(2004年7月7付 日経産業新聞)にまで育て上げたそのスピードには、正直脱帽です。
さて、きょう印象に残ったのは、堀さんが盛んに使われた“志”という言葉です。講演の中で掘さんは野田一夫さんの言葉を借りて、“志”の概念を1.壮大、2.感動、3.事前の意思決定の3つで定義されていました。3の「事前の意思決定」が夢やロマンといった抽象的概念と大きく異なる点だそうです。つまり、あらかじめ何をどうやるかを決めておくことが重要だというわけです。ハーバードのキャンパスで寝ころびながら考えたグロービスの事業構想はまさに、“志”であったわけで、堀さんの頭の中では、いくつかの明確な意思決定がなされていたからこそ、今日の成功があったのかもしれません。
堀さんの“志”は事業の世界にとどまらず、自分自身の内面世界への深い洞察を通して、人生観・世界観に昇華しているようです。若き日の堀さんがボストンの青空に描いた事業構想がベンチャー経営者として“志”であったとすれば、きょうの主題であり、近著のタイトルでもある「人生の座標軸」というフレームワークは、ソーシャルアントレプレナー(社会起業家)としての堀さんの“志”を描くためのキャンパスなのかもしれません。
堀さんの話を聴きながら、松下幸之助や本田宗一郎の若き頃を想像していました。
堀さんのコラムには、そんな“志”が語られています。
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不易流行の経営学を目指して
~稲盛経営哲学を出発点として~
劉 慶紅
慶應義塾大学大学院経営管理研究科 教授
日本経営倫理学会常任理事
稲盛経営哲学に学びながら、人間性を尊重し、利潤追求と社会貢献の統合をめざす経営学理論を構築する、新論が真論となり、不易流行の経営学として結実することを目指して。
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『VIVANT』とテレビ局社員
福澤 克雄
(株)TBSテレビ コンテンツ制作局ドラマ制作部、演出家・映画監督
私にとっての道は、TBSにありました。『VIVANT』は、同じような夢を持つ若者たちの道標になってほしい、そんな思いも込めてチャレンジした作品です。日本のドラマ界、映画界を目指す皆様、夢はあるけど方法がわからない皆様の一助になればと願っております。
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