夕学レポート
2007年10月22日
「やりたいのは音楽そのもの」 宮本文昭さん
「昨夜の夕学について、ブログに何を書こうか」
今朝から悶々と考えていたところ、日課にしているいくつかのブログチェックの途中で、ふとある文章に目が止まりました。
自分の良いところを見つけるには、自分の直感を信じ(つまり自分を信じるということ)、自分が好きだと思える「正のエネルギー」が出る対象を大切にし、その対象を少しずつでも押し広げていく努力を徹底的にするべきだ。そういう行動の中から生まれる他者との出会いから、新しい経験を積んでいけば、自然に社会の中に出て行くことができる。「好きなこと」と「飯が食えそうなこと」の接点を探し続けろ。そのことに時間を使え。
『ウェブ進化論』の著者梅田望夫氏の言葉です。
若者に対して、ウェブ時代に、どう働き、どう生きるべきかを刺激的に啓蒙するこの文章は、梅田さんの新著『ウェブ時代の生き方』のモチーフでもあるようです。
「これって、宮本さんの生き方そのままではないか」
そう思いました。
先週金曜日(19日)の夕学をお聴きになった方は、ワトソンワイアットの川上真史さんが、これからの人材マネジメントのキーコンセプトとして紹介された「エンゲージメント」の概念を思い出したかもしれません。
“エンゲージメント”とは、「のめり込み感」とでも言えるものです。楽しくて面白くて仕方ない、思わず我を忘れ、時間が経つのを忘れてしまう、そんな感覚です。
「音楽家 宮本文昭」が、揺るぎない賞賛を得てきたこともちろんですが、「人間 宮本文昭」に対して、我々が強い共感を憶えるのは、まさにこの生き方ゆえだと確信します。
宮本さんは、「台本のない1時間半」の中で、幼少時の記憶や思い出を、なぜあれほど多く、熱く語ったのでしょうか。
おそらくは宮本さんは、人生の節目節目を通して、「自分とは何か」を突き詰める作業を繰り返し行ってきたのではないでしょうか。
そしてその行為の際に、幼少時の記憶や印象的な思い出が持つ意味を掘り下げることが、有意義な作業であることに気づいたからに他ならないでしょう。
夢や記憶を通して、無意識の深層に埋め込まれた自分の本質を探り出すという、ユング心理学の思想を見る思いがします。
自分の過去に向き合い、そこに隠された真の実相を見つけ出す作業というのは、実は辛気くさい面倒なことだと言われています。
しかしながら、これまたユングの言葉を借りるならば、「人生の正午」を超えたミドル世代が直面する「統合」という生涯発達課題を乗り越えるためには不可欠な作業でもあります。
理想と現実、夢・希望と能力の限界、周囲の期待と自分のやりたいこと、さまざまな矛盾や葛藤を「統合」し、止揚的な思考のジャンプをするためには、「自分とは何か」を突き詰めることが絶対に必要です。
宮本さんが突き詰めた「自分が本当にやりたいこと」は、オーボエでも、クラシックでもなく、音楽そのものでした。
ともすれば規則に縛られがちなクラシックのくびきを解き放ち、自由に音楽を満喫したい。
そんな自由な音楽を通じて、他者に喜びを与えることに無常の喜びを感じる自分に気づいたそうです。
「自分の練習ほど練習をやっている演奏家はいない」と豪語するだけの、気の遠くなるような基礎練習に耐えられるのも、「自分が本当にやりたいこと」に繋がる道の途上であることを、無意識のうちに掴み取ってきたのかもしれません。
控え室でお聞きした教育への思いも印象深いものでした。
「自分が教えることで、若い人の旅が多少でもショートカットできれば、彼らは自分より遠くに進むことができる。彼らの弟子が同じように教えを受ければ、更に遠くに歩をすすめることができる。そうやって何代も続けて旅を続けていって欲しい。
でも、永遠にゴールにたどり着くことはないだろう」
生命137億年の旅路の先端を歩く存在として、世代を越えて継承しようという「人間としての使命感」を感じました。
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不易流行の経営学を目指して
~稲盛経営哲学を出発点として~
劉 慶紅
慶應義塾大学大学院経営管理研究科 教授
日本経営倫理学会常任理事
稲盛経営哲学に学びながら、人間性を尊重し、利潤追求と社会貢献の統合をめざす経営学理論を構築する、新論が真論となり、不易流行の経営学として結実することを目指して。
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『VIVANT』とテレビ局社員
福澤 克雄
(株)TBSテレビ コンテンツ制作局ドラマ制作部、演出家・映画監督
私にとっての道は、TBSにありました。『VIVANT』は、同じような夢を持つ若者たちの道標になってほしい、そんな思いも込めてチャレンジした作品です。日本のドラマ界、映画界を目指す皆様、夢はあるけど方法がわからない皆様の一助になればと願っております。
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