夕学レポート
2005年05月10日
SkillよりWill 「勝者の思考法」 二宮清純さん
GW期間中にお休みしていた夕学がまたはじまりました。
きょうの講師はスポーツジャーナリストの二宮清純さんです。TV画面では、よくわからないのですが、二宮さんはスポーツ選手顔負けの素晴らしい体躯をしていらっしゃいます。
控室では、二宮さんの故郷、愛媛の八幡浜の話からはじまりました。我が社の副社長は愛媛在住の経験があるので詳しいそうですが、「八幡浜の二宮一族」というのは愛媛では有名なのだそうです。なんでも、「日本初の飛行機発明家」の二宮忠八氏、シーボルトの娘さん(楠本いね)に医学を教えた二宮敬作といった偉人を輩出してきたとか。祖先は相模国の二宮に拠点をおいた平家方の水軍で、平家滅亡後八幡浜に根づいたそうです。スポーツジャーナリズムの世界に新境地を開拓した二宮さんもその血筋を引いているんですね、きっと。
「野茂のフォークはヒュルヒュルと音を立てて落ちる」 マイク・ピアザのこの言葉にヒントを得て、二宮さんは、野茂のフォークがなぜ打たれないのかという理由を探索します。さらには、「そういえば、野茂はよく爪を痛める」という事実からその理由が「回転」にあるのではないかと思い巡らします。普通フォークは回転を殺すことによって空気抵抗を起こし、落ちる変化を可能にします。ところが野茂はあえて微妙に爪を縫い目にかけて回転させているのだそうです。大リーガークラスになると球種さえ見抜けば、いくら落差があったところで対応できてしまいます。彼らは球の回転の有無でフォークか否かを見抜いてしまうとのこと。つまり回転をかけることで、一瞬の判断を遅らせ押さえることができるのだそうです。
二宮さんは、ピアザのコメントと爪の故障という事実からその秘密を推察し、本人にぶつけることで検証していきます。
野茂も凄いけど、二宮さんも凄い! まさにプロの技術ですね。
講演の冒頭で高橋尚子と小出監督の決別についてもコメントされましたが、数分間のインタビューの中から、高橋尚子が発した「卒業」「自己責任」という二つの言葉を見つけ出し、二人のこれまでの軌跡と現在の環境を読み込んだうえで、ズバリ彼女の心境を解説してみせた時にも同じ切れ味を感じました。
二宮さん自身にも「勝者の思考法」があるのですね。
二宮さん! 堀江さんや安藤忠雄さんの夕学でお会いできるのを楽しみにしています。
今度は、是非鋭い質問をお願いします!!
二宮さんには素敵なサイトを持っていますのでこちらも是非どうぞ。
「SPORTS COMMUNICATIONS」二宮清純責任編集サイト
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東京大学東洋文化研究所 准教授
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