夕学レポート
2006年04月12日
学力低下とゆとり教育
1回目の立花隆さん、2回目の野口悠紀雄さんの両方をお聴きになった方はご存知だと思いますが、両先生とも、学力低下への強い危機感を抱いておられました。奇しくもご両人とも90年代後半に東京大学で教壇に立っていたこともあり、学力低下の象徴として東大の例をあげておられました。その原因として「ゆとり教育の弊害」を上げていることも同じです。
昼休みに週刊ダイヤモンドを読んでいたら百マス計算で有名な陰山英男先生(今春から立命館小学校副校長)が、異なる見解で学力低下問題を語っていました。
陰山先生の主張は「ゆとり教育」が問題ではなく、子供達の生活習慣の崩れこそが問題だということです。寝不足、朝食抜きで集中力にかけた子供が増える。落ちこぼれが問題になってゆとり教育論が生まれる。不安に駆られた親は塾へ駆け込む。塾は受験技術だけを徹底的に教え込む。塾通いで疲れた子供はゲームなどで夜更かしをする。生活が乱れ、ますます学力が落ちる。
そんな負の循環を断ち切るために文部科学省に働きかけて「早寝、早起き、朝ご飯」国民運動をはじめるとのこと。2年前の夕学で、しきりに「早寝、早起き、朝ご飯」を強調していたことを思い出しました。
立花さん、野口先生と影山先生は論点が異なるので比較するのはおかしいかもしれませんが、見ている対象(東大生と一般小学生)の違いが反映されていて興味深く感じた次第です。
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