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前田 鎌利「プレゼンテーションの力」

2019年10月07日

前田 鎌利
プレゼンテーションクリエイター/書家
一般社団法人 継未-TUGUMI-代表理事

人は2300年間「伝える」ことに悩んできた

私がビジネスの世界に入った時には、世の中にまだパソコンがそれほど普及しておらず、営業・マーケティング・財務部門に至るまでパワーポイントを使って何かを伝えるという習慣は1997年頃には日常化していませんでした。
年号が令和となった2019年。パワーポイントを用いたプレゼンテーションは、ビジネスシーンでは当たり前となり、伝える手段として有効なツールの一つとなっています。

そもそも、プレゼンテーションの歴史的な根源とはどこから発生したのだろうかと調べてみると、アリストテレスが今から約2300年前に著した『弁論術』がその起源にあたるとされています。つまりプレゼンテーションに関する叙述が2300年前に記されるということは、それを人々がそのスキルを求め、また悩んでいたことを示しているのです。

21世紀となった現代。ある調査では、ビジネスマンの91%はプレゼンテーションが何かしらの理由で苦手であると回答しています。つまり、人類は2300年前から、人に自分の考えていることを伝える上で悩んできたのです。人に何かを伝えることは、人類の長い歴史において、非常に大きなテーマの一つかもしれません。

前田鎌利

現代の私たちが行なっている「プレゼンテーション」とはどういったものを指すのでしょうか?
いわゆるビジネスシーンにおけるパワーポイントなどを用いた発表をプレゼンテーションと定義付けするのでしょうか?

私はそうではないと考えます。

「日常の全てがプレゼンテーション」

なのです。

例えば、病院に行けば診察室で先生の問診に対して、正確に答えなければ治るお薬は処方されなくなってしまいます。風邪をひいていて、鼻水が出ているにも関わらず、「鼻水は出ていません」と答えてしまえば、鼻水を止める薬が処方されないのです。結果として風邪は治らないでしょう。

情報を伝える→相手が理解する→行動を起こす→念い(おもい)が叶う

プレゼンテーションの定義の一面を捉えているロジックですが先の診察室の例も同様です。

風邪の症状を伝える→病状を理解する→薬を処方する→風邪が治る

これが伝わらなければ

風邪の症状を伝える際に情報が不足する→不足した状態で理解する→誤った薬を処方する→風邪が治らない

いかがでしょう。正にプレゼンテーションなのです。
プレゼンテーションとは自分の念いや考えを相手に伝えるだけでなく、相手が理解すれば行動を起こし、結果自分の念いが叶うことなのです。
「プレゼンテーションの力」は伝えて終わりではないのです。伝えたら結果が伴ってくるものなのです。

「自己紹介」こそプレゼンテーションの基本

では、ビジネスシーンで一番多く行なわれる「プレゼンテーション」とは何でしょうか。
答えは、

「自己紹介」

です。

おそらく、物心ついた頃には、自己紹介を求められて名前や年齢、好きな食べ物、趣味などを何となく並べ立てて伝えていたはずです。
ところがビジネスシーンの自己紹介は名刺交換に始まり、すぐさまビジネステーマに移ることもしばしば。
私たちの置かれているビジネス環境は、大手企業に所属しているから信頼や安心を相手に醸成できるような一昔前のものでなく、勢いがあるベンチャー企業や新しいテクノロジーを持つ新興企業の方がより機動力もありシナジーも出せることが結果として出始めています。そんなビジネス環境において、「会社」と「会社」ではなく、そこに従事する「人」=「個人」の信頼と安心をビジネスを行う上での軸にシフトしてきたのです。

「あなただから一緒に仕事をしたい」

そう言わせられるかどうかが重要なのです。
あなたは自己紹介で、安易に会社名や部署名、役職などの情報を伝えるだけになっていないでしょうか?
伝えたつもりになっていないでしょうか?
伝わっていると思ってないでしょうか?

これまで、年間200社、のべ2万人の方々と講演や研修を通じてお会いしてきましたが、自己紹介がまともにできている方は1%もいませんでした。

自己紹介は生涯で一番行われるプレゼンテーションです。
自己紹介で自分の念いが伝えられれば、そのほかのプレゼンテーションも必ず伝えられるものになります。
自己紹介をこの講座でアップデートしてみてください。

前田鎌利

人生とプレゼンテーションの関係

今回の講座の中では、「未来プレゼン」というものを課題として最終回に発表いただくことにしました。「未来プレゼン」。聞いたことがないかと思います。
具体的には、今から10年後の自分をデザインするところからスタートです。未来の自分は2019年の自分から2029年までどんな人生を歩むでしょうか?
10年後の自分は多くの人たちにどんな10年間を過ごしてきたのかをどのように伝えられるでしょうか?
この答えは、どこを検索しても出てきません。
答えはあなたの中にしかないのです。そして、想像した未来は訪れます。
それは想像した未来を実現させようと思うマインドが働き、あなたが行動するからです。

情報を伝える→相手が理解する→行動を起こす→念いが叶う

10年後の情報を伝える→自分が理解する→自分が行動を起こす→念いが叶う

あなたは、どんな10年後の未来を描きますか?
そして、さらにその先の20年後、30年後にどんな未来を描きますか?

描けば未来は開かれます。

自分の未来を開きに来ませんか?

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慶應MCCではプレゼンテーションの「伝える+動かす」スキルを磨く講座を開催します。
前田鎌利道場【伝えて動かすプレゼンテーション】
2019年11月開講・全8回

前田 鎌利(まえだ・かまり)
前田 鎌利

  • プレゼンテーションクリエイター
  • 書家
  • 一般社団法人 継未-TUGUMI-代表理事
慶應MCC担当プログラム
1973年福井県生まれ。東京学芸大学 書道科卒業後、独立書家として歩む。阪神淡路の震災を機に通信業界へ。2010年よりソフトバンクアカデミア第1期生として在籍し初年度1位を獲得。孫正義氏のプレゼンテーション作成にも携わる。2014年に独立起業。プレゼンテーションをはじめとしたビジネス書籍を出版し、著者累計26万部、年間200社にて講演・研修などを行う。

書の活動においてはライブパフォーマンスや個展をNY、アジア、ヨーロッパなど国内外にて実施。未来へ日本文化を継いでいく活動として書道塾「継未-TUGUMI-」を主催。700名を超える生徒様方に日々書を通じた内観することの重要性を伝えている。主な作品:JAXA「こうのとり」Jリーグ「絶対突破」TOYOTA「挑戦」羽田空港ラウンジConceptual Art & Sign Project「心」、重要文化財旧小坂邸襖書「花鳥風月」など。

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