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慶應義塾大学SFC研究所の取り組み

2007年01月16日

慶應義塾大学SFC研究所

1.はじめに -所長挨拶

未来を自分たちの手で。
SFC研究所は実践的な研究活動を通じて、より良い社会の実現に貢献してまいります。

(慶應義塾大学 SFC研究所  所長 國領 二郎)


慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)は、単に学術的な研究を行うだけではなく、自分たちで研究成果を世の中に還元し、新たな社会を創出していくことを目指しています。いわば“未来をつくりだす”という使命を担っているのであり、これこそがSFCの最も大きな特長であると言えるでしょう。
この未来づくりとも言うべき活動を進めるうえで、非常に重要なのが内外の様々な機関とのコラボレーションです。政府、自治体、企業、大学、研究所、 NPOなど、国内外の関係諸機関と密接に連携しながら共に現場に赴き、社会に存在する問題を発見し解決していく必要があります。この諸機関とのコラボレーションの架け橋となるのがSFC研究所であり、多様な組織、多様な研究者の持つ資産を的確にプロデュースし、ある具体的な成果を社会に送り出す体制を構築することこそSFC研究所の社会的使命であると私たちは考えています。
問題を具体的に解決し未来を創造していくためには、様々な分野の研究者の横断的な協力が必要です。社会のほとんどの問題は、技術、制度、組織、人間において多面的であり、総合的に解決していかなければ、現実の社会に適応した仕組みにならないからです。SFC研究所では研究者を研究分野別ではなく、解決しなければならない課題や問題別に組織化しています。それが「ラボラトリ」や「SFC研究コンソーシアム」という独自の制度であり、SFC研究所の実践的な研究活動を支える基礎ともなっています。
現在、将来にわたり接続可能な社会の実現が課題となっています。大学は、具体的な知識を形にし、世の中に送り出し循環させていくという機能を持ち、その意味においてSFC研究所が果たすべき役割はさらに大きくなっています。また、国際的な広がりのなかで、日本ばかりではなく世界的な視野に立った研究活動や情報発信が必要です。SFC研究所はグローバルな活動拠点としての機能をこれまで以上に発揮し、日本そして世界に新しい明日をつくりだしていきたいと思います。

2.概要 -先端的研究の遂行と研究成果の社会への還元

1996年7月に慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科、総合政策学部、環境情報学部の附属研究所として発足したSFC研究所は、21世紀の先端研究をリードする研究拠点として、SFCにおける教育・研究活動と、産官学および国内外のあらゆる関連活動との双方向の協調関係を育みながら諸科学協調の立場から先端的研究を行い、社会の発展に寄与することを目的としています。
この目的を達成するための具体的施策として、(1)調査研究の企画・実施(2)外部機関との研究プロジェクトの推進などを行っており、SFC研究所の特徴でもある、大学主導による複数機関との共同研究「SFC研究コンソーシアム」では、十数件のプロジェクトが稼動しています。また国・地方公共団体、民間企業などからは、年間約190件、総額約18億円の研究を受託しています。(いずれも2005年度実績)これらの研究は、SFCの専任教員を中心とする研究所上席所員等だけでなく、外部からの約400名の訪問研究者と共に実施されています。
SFC研究所ではこの他にも、(3)国内外の大学・研究機関との協力、提携、交流(4)研究会・シンポジウムおよび啓蒙活動の企画、開催(5)研究成果の公開や講師派遣などを行い、研究成果の社会への還元に努めています。
なお、SFC研究所は2002年8月より、大学院政策・メディア研究科、総合政策学部、環境情報学部、看護医療学部の附属研究所となり、今まで以上に幅広い領域に渡る活動を行っています。
(1)設立経緯
慶應義塾大学は1990年、大きく転換する情報環境に柔軟に対応できる研究・教育の場を目指し、既存の学問成果を横断的に再編成する全く新しいコンセプトに基づき、総合政策学部と環境情報学部の2学部を擁する湘南藤沢キャンパス(SFC)を開設しました。
開設の翌1991年には、両学部の附属研究所である総合政策研究所及び環境情報研究所、更に言語コミュニケーション研究所を加えた3研究所を設置。また、1994年には大学院政策・メディア研究科修士課程を、1996年には同後期博士課程を新設し、これを機に3研究所を発展的に解消しそれらを統合した形で、1996年7月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科、総合政策学部、環境情報学部附属SFC研究所(以下「SFC研究所」)を設立しました。なお、SFC研究所は2002年8月より、大学院政策・メディア研究科、総合政策学部、情報環境学部、看護医療学部の附属研究所となり、今まで以上に幅広い領域に渡る活動を行なっています。
(2)組織
SFC研究所は、所長、副所長、上席所員、所員、訪問研究者で構成されています。上席所員、所員、訪問研究者はSFCの教職員を中心に国内外の研究者で構成され、SFC研究所プロジェクトの企画・提案・実施・評価に携っています。現在、民間企業や研究所、官公庁・地方自治体、他大学などに所属する数多くの方々が、訪問研究者としてSFC研究所における研究活動に携っています。
研究者数(2006年12月22日現在)
上席所員: 295名
訪問研究者: 371名 (上席所員(訪問): 260名、所員(訪問)111名)
合計 : 666名
(3)グローバルな研究活動
SFC研究所は、Webの可能性を最大限に引き出すべく設立された会員制の国際産業コンソーシアム World Wide Web Consortium (W3C)の東アジア担当ホストとして、アメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所(MIT CSAIL)、フランスに本部を置く欧州情報処理数学研究コンソーシアム(ERCIM)とともに、1996年9月よりW3Cの協同運営にあたっています。また、最先端の自動認識技術の研究開発と、その利用および標準化を目指す国際的な非営利研究組織「Auto-IDラボ」(本部:マサチューセッツ工科大学)の日本における研究拠点「Auto IDラボ・ジャパン」の一端も担っています。

3.研究活動

(1)ラボラトリ -SFC研究所と外部とのインターフェース
SFC研究所では2001年から、先端的研究ミッションを持つ研究グループである「ラボラトリ(ラボ)」を設けています。ラボは同じ研究テーマを持つSFC研究所内の研究者により、横断的・融合的に構成された組織であり、研究ミッションの特定により、各ラボの研究活動目標、研究対象、活動領域をより明らかにし、国内外の民間企業や研究所、国、地方自治体、他大学などとの研究交流を促進することを目的としています。実際に、SFC研究所における「SFC研究コンソーシアム」や「受託研究・共同研究」が、ラボに属する複数の研究者により実施されるケースも増えています。
現在、実施されているSFC研究所における委託/共同研究も個々のラボと実施することが可能です。研究テーマに関連してラボの設置状況をご確認の上、特定のラボとの委託研究、共同研究をご希望の方は、こちらの研究活動への参加手続きをご参照下さい。
現在、以下のラボが設置されています。

  1. キャリア・リソース・ラボ
  2. インターネット・リサーチ・ラボ
  3. ジオ・インフォマティクス・ラボ
  4. デジタルシネマ・ラボ
  5. バイオインフォマティクス・ラボ
  6. Auto-ID ラボ
  7. ユビキタスコンピューティング&コミュニケーション・ラボ
  8. プラットフォームデザイン・ラボ
  9. ヘルスケア・インフォマティクス・リサーチ・ラボ
  10. ケータイ・ラボ
  11. SIV アントレプレナー・ラボ
  12. インタラクションデザイン・ラボ

(2)SFC研究コンソーシアム -大学主導による複数機関との共同研究
SFC研究コンソーシアムは、SFC研究所と複数の外部機関によって実施される共同研究の一種であり、その特徴は、大学が中心となって研究テーマを設定し、企業や国・地方自治体など外部機関に共同研究の実施を呼びかけ、「相互利益」を前提に大規模な課題に領域を超えて取り組む点にあります。その結果、従来の一対一の共同研究に比べ、広範囲に渡る総合的な研究を推進することが可能です。
大学の自立性、研究者の対等性、研究成果の公開・知的所有権共有の原則が、SFC研究コンソーシアムの特徴となっています。現在、コンソーシアム形態では、年間総額約1億円規模の研究を実施しています。
年度別総件数とメンバー様別内訳
※詳細は統計ページ参照
(3)受託/共同研究
受託研究・共同研究は、SFC研究所が外部の諸機関との間に締結する一対一の契約に基づき実施する研究です。多様な分野の第一線で活躍する研究者が、民間企業・研究所、公共団体、国・地方自治体等から委託された、あるいは共同で設定したテーマに基づき、個々の契約に従って研究・開発を行なっています。その研究分野は情報基盤/応用技術から組織/経営プログラム、都市/地域デザインなど 多岐に渡っています。
(4)補助金/助成プロジェクト
SFCでは、文部科学省をはじめとする省庁による大型公的補助金/助成金プロジェクトに複数参画しています。
■21世紀COEプログラム
2002(平成14)年度から文部科学省で実施された、国際競争力のある世界最高水準の大学づくりを推進するための「世界的研究教育拠点の形成のための重点的支援-21世紀COEプログラム」において、SFCの単一専攻による申請としては、2002(平成14)年度に「次世代メディア・知的社会基盤」が、 2003(平成15)年度には「日本・アジアにおける総合政策学先導拠点-ヒューマンセキュリティの基盤的研究を通して-」が採択されました。いずれも大学院政策・メディア研究科政策・メディア専攻を拠点としています。また2002(平成14)年度には、理工学研究科・医学研究科・先端生命科学研究センターが複数専攻の組み合わせにより申請をした「システム生物学による生命機能の理解と制御」が採択されており、政策・メディア研究科、先端生命科学研究所の教員が参画しています。
■科学研究費補助金
科学研究費補助金は、人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させることを目的とする「競争的研究資金」であり、ピア・レビューによる審査を経て、独創的・先駆的な研究に対する助成を行うものです。萌芽期の研究から最先端の研究まで、多様なメニューで援助されおり、その研究成果は、ノーベル賞をはじめ、研究者の国内外での様々な受賞につながっています。
SFCでは、2006(平成18)年度は総合政策学部6件、環境情報学部12件、政策・メディア研究科9件、看護医療学5件の合計32件が採択されています。
■私立大学学術研究高度化推進事業
私立大学学術研究高度化推進事業は、我が国高等教育機関の大部分を占める私立大学等における研究基盤の整備及び研究昨日の高度化を図るため、重点的かつ総合的な支援を行なうために文部科学省が実施している補助金制度です。「ハイテク・リサーチ・センター整備事業」「学術フロンティア推進事業」「社会連携研究推進事業」「オープン・リサーチ・センター整備事業」の4つの事業に分類されており、うちSFCでは「ハイテク・リサーチ・センター整備事業」として「情報通信技術を基盤としたe-ケア型社会システムの形成とその応用の融合研究(2005年度採択)」、「次世代サイバースペースの研究(2000年度採択)」の2件が、「学術フロンティア推進事業」として「デジタルアジア構築と運用による地域戦略構想のための融合研究(2004年度選定)」の1件が選定されています。
■現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)
慶應義塾大学は、2004(平成16)年度、2005(平成17)年度と2年連続で「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」に採択されました。このプログラムは、各種審議会からの提言等、社会的要請の強い政策課題に対応したテーマ設定を行い、各大学等から応募された取組の中から、特に優れた教育プロジェクト(取組)を選定し、財政支援を行うことで、高等教育の活性化が促進されることを目的とする文部科学省の事業です。SFCでは「コラボレイティブ・マネジメント型情報教育-産学連携によるプロジェクト実践と、その標準化・社会貢献をめざして-(2005年度採択)」と、「コミュニティ型教育プログラムと地域活性化支援(2004年度採択)」が採択されています。

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慶應義塾大学SFC研究所Webサイト http://www.kri.sfc.keio.ac.jp/ より最新情報に更新し、編集転載

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