KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

今月の1冊

2014年09月09日

MikaのNY便り

寺尾美香

はじめまして、のみなさま。おひさしぶりです、のみなさま。こんにちは。今年の3月まで慶應MCCでラーニングファシリテーターを務めておりました寺尾美香です。

MCCでの4年半は、学びの愉しさ、場づくりのむずかしさとおもしろさ、数えきれない程の乾杯!を経験し、先生方から、みなさまから、そしてMCCから、本当に、本当にたくさんのことを教えていただきました。
あわせてこの間、結婚、出産を経験し、世間で言われるワーキングマザーという立場になり、忙しくもとても楽しく充実した日々でした。
現在は、主人が仕事の拠点をニューヨークに移したのを機に渡米し、3歳になる娘と3人でマンハッタンで暮らしています。

マンハッタンというと、ビジネス、メディア、アート、ファッションなどの一大中心地として有名ですが、意外に小さく狭い場所であることに、来たばかりの頃はとても驚きました。
両側を川に挟まれ細長い形をしていて、大きさは山手線の内側程。1時間もかからず東から西に歩いて横断出来てしまいます。

そのコンパクトな島にある、あれもこれもがギュッと詰まった街に、約160万人もの人々が生活していて、人口密度は東京23区の2倍と言われます。さらには、1年通して訪れる世界各国からの観光客で常に街はごった返し、ミッドタウンに至っては週末の渋谷の交差点さながらの人混みで歩くのも一苦労なくらいです。

さて、そんなニューヨークで生活を始めて半年。正直、渡米前は、東京とニューヨーク、大都市での生活はそう大差ないと思っていましたし、ネットでいつでもどこでもつながれる今の時代に、カルチャーショックなんてたかが知れている、と思っていました。しかし…やはり違うのです。当たり前ですが、同じではないのです。
勝手に親近感をもっていたアメリカが、ふいに遠く感じたり、知っているつもりでいたけど、それは単なる思い込みでしかなかったり、なぜだか、どうしてだか、わからなくてその理由を1日中考えていたり。日々、さまざまな感情が動きます。

時には「こんなはずじゃなかった」と、意気消沈することもありますが、それをとことんおもしろがってみるのもアリなのではないかと、最近そんなことを考えるようになりました。
違うから大変、だけど、だからおもしろい・・・!
アメリカならでは、ニューヨークならではの慣習や事情が多く、現在進行形で孤軍奮闘しているところです。そんな知っているようで全然知らないアメリカやニューヨークのこと、そもそも知らないから新鮮に感じることなど日々の些細なことを一喜一憂する心の声も含めて書き留めてみようと思い、ブログを始めました。てらこやを通して皆さんにもお届けできたらと思います。

偏った見方だったり、私見が過ぎる部分は多々ありますが、お好きなテーマからご自由にお楽しみいただき、みなさまにニューヨークを少しでも身近に感じていただけるきっかけとなれば嬉しく思います。

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新世代コーヒーはどこから?
The ABC of New Yorkより )
アメリカでコーヒーと言えば、薄くて、大量に、1日に何杯も飲むものというイメージがありましたが、マンハッタンに暮らしはじめてそのイメージはあっという間に変わりました。
映画「プラダを着た悪魔」の中では、アン・ハサウェイが携帯片手に、もう片方の手でスタバのグランデを4つ載せたトレーをグラグラさせながら鬼編集長に呼ばれて大慌てで出勤するシーンがありましたが、2006年制作当時と今、コーヒー事情はだいぶ違う様子です。

今、ファッション業界や出版業界のニューヨーカーが愛飲しているのは、もっと違うコーヒーかもしれません。

街を歩いていても、いかにもベジタリアンな色ぶちメガネにチェックシャツのお兄さん、スラッとしたブロンド美人のお姉さんたちが手にしているのは、アン・ハサウェイが持っていたようなグランデの半分くらいの小さなカップ。
どうやらこれは、サンフランシスコやポートランドなど西から伝播した”3rd Wave Coffee” (コーヒー第3の波)の影響のようで、グルメコーヒーとかスペシャリティコーヒーと呼ばれる新世代のコーヒーがあっちでもこっちでも大人気です。

それは単に一部のコーヒー愛好家の間で話題になっている、というのとはどうも違うみたいで、かなり市民権を得ている感があります。
ファッショナブルなだけじゃなくて、豆にも製法にもこだわる本物、最高品質。そんなイケてるコーヒーを楽しむオレたちって最高にクールだろ?、という声が聞こえてきそう。なんていうかこう、ステイタスみたいになっていると感じるのは私だけでしょうか。
観光地の近くは別として、地元ピープルが集まる土曜日のブルックリンのお店では、店内ほぼ全員Macユーザー、顔良し、スタイル良し、ファッションセンス良し・・・みたいな若者が、まーったり時間を過ごしていました。

いや、でも、実際にかなりおいしいのです。
我が家のダンナがあまりにも絶賛するので、勧められるがままにまず飲んでみたのが「ブルーボトルコーヒー」アイスラテ。
ちょっと酸味は強めで個性的だけど、確かに濃厚さといい、芳ばしさといい、全体のバランスといい、、コーヒーに特に拘りのない素人の私でも違うのがわかる。アメリカでもこんなに美味しいコーヒーが飲めるなんて・・・小さな感動さえ覚えました。

ランチ時、ロックフェラーセンターというビジネスマンと観光客で最高潮に賑わう場所、時間でも、お店の雰囲気や店員さんもどことなくゆったりしていて、感じがいい。
また来たいな、と思わせるそういう空気感がありました。

でもなんといっても、人々は美味しいからリピートするわけでそのこだわりは徹底しています。
豆の産地はもちろんのこと、その鮮度や焙煎にも徹底的にこだわり、一杯、一杯、丁寧にドリップで入れてくれるという、いいものにはやっぱり理由がありました。
(でも、これってどこかで知っているような。
よく行ってた「神田コーヒー」in 神保町?
心地良いジャズと豆を挽くロースターの芳ばしい香り。おしゃれで優しげなお兄さんがゆっくり入れてくれる味わい深い珈琲。娘を保育園に送った後の出勤前のあの10分。しみじみ癒されたっけ。お兄さんとのカウンター越しのおしゃべりも楽しくて、ついついまた寄っちゃう。会社帰りのお父さんたちが赤提灯に「ついふらっと」行っちゃう気持ち、わかるな~。そんなお店だったな。)

(編)つづきはブログ本編をご覧ください→新世代コーヒーはどこから?
(寺尾美香)
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※来月からは【てらこや】の新コーナーとして【MikaのNY便り】をお届けいたします。
 

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