KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

学びの体験記

2003年07月08日

『マネー情報から金融市場を「読み・解く」』を受講して

MCC「知的基盤能力」開発ワークショップ・プログラムの1つである『マネー情報から金融市場を「読み・解く」』に参加され、現在ヘッドハンティング業界でご活躍の御子柴高視さんに、プログラムに参加した動機やご感想、そして、いま学んだ知識をどのように活用されているか、について書いていただきました。

マネー情報から金融市場を「読み・解く」-マーケットの「理論と現実」をビジネスに活かす
講師:金子 隆(慶應義塾大学商学部教授)
日時:2003年1月29日-3月5日 全6回 3時間/回


私がこの講座を受講しようと思った直接のきっかけは、ある広告でMCCにおいてこのような講座が開講されることを知り、是非金融市場に関する深い知識と鋭い感覚を身に付け、現在のサーチコンサルタント(ヘッドハンター)としての仕事に役立てたいと思ったからです。私は元々都市銀行で4年半程働いていたので、ある程度の基礎的な金融知識は習得しておりましたが、過去3年半は仕事上、その知識を活用する場がほとんどなかったこと、及び銀行では財務分析の勉強・仕事が中心であったため、金融市場に関する知識はあまり豊富ではありませんでした。
さて、実際に講義を受講して感じたことは、金子先生の講義はわかりやすくて面白い!ということです。私の大学時代には、正直面白いと感じる授業はそれほど多くありませんでしたが、金子先生は、常に受講生の側に立って、難しいことをわかりやすく説明してくださるので、聞く私たちの耳にもその内容が素直に入ってきます。集中力さえ切らさなければ、講義の内容はかなり良く理解できると思います。(その後の復習がもっと大切なのですが!)
私はこの講座を通して、短期金融市場と日銀の金融調節の仕組み、債券の利回り格差と期間構造、株価の決定メカニズム、先物やオプションの価格決定メカニズム等々、たくさんのことを学びました。私はそれほどしっかりと復習をしなかったので、結果的には金子先生が受講生に期待していた3割程度しか理解していないかもしれませんが、大まかな考え方と視点は身に付いたと思います。少なくとも、日経新聞のマーケット情報欄には以前よりずっと注目するようになり、その背景も少しは理解できるようになってきたと思います。
一つの例を用いますと、この原稿の依頼を受けて書き始めようとしていた矢先、債券相場(長期金利)が急激に動きました。今朝(7/1付)の日経新聞の一面には、「長期金利、一時0.875%」と大きな見出しで書いてありました。概略は、「6月30日の債券市場で、指標となる新発10年物国債の利回りが一時前週末終値に比べ0.145%高い0.875%まで上昇(債券価格は下落)、6月11日に付けた過去最低利回り(0.430%)から3週間弱で2倍以上に跳ね上がり、保有債券を損失覚悟で見切り売りする動きが出てきたようだ。」とありました。
また、次のようにも書いてありました。
 「大手銀の債券含み益が減る一方で株含み益は増えている。大和総研の試算では、大手銀7グループの株含み損益は、3月末時点で1兆2千億円程度の含み損だったが、先週末時点では7千億円程度の含み益に転じた。各行とも債券で損失が出ても、ある程度は株の含み益で相殺できるとみられる。
 ただ、地方銀行など中小金融機関などは大手銀のように多額の持ち合い株を持たないため株高の恩恵を受けにくい。預金需要が低迷する中で、預金を集めた資金の多くを国債に振り向けているだけに、金利上昇によるマイナスの影響が大きくなる可能性がある。」(7/1 日本経済新聞朝刊3面より)
この記事をもとに、是非前月の【てらこや】(Vol.04)「ピックアップレポート」の金子先生の解説を読んで頂きたいと思います。非常に興味深い内容になるのではないかと思います。この講座を受講したおかげで、この例を取ると、様々な国債マーケット参加者(大手銀、地銀、生損保、年金、自己勘定トレーダー、ヘッジファンド等々)の思惑、状況が以前より良く理解できるようになったと思います。
最後になりますが、(こんなことを書いたらMCCのスタッフの皆さんに怒られてしまうかもしれませんが、)正直な所、受講料は決して安くないです。特に会社の援助も無く、すべて自己負担での参加を考えている方は、「う~ん、ちょっと痛いなぁ~」と感じられることでしょう。ただ、本人のやる気次第で、3時間× 6回の講義を通して、十二分に元を取ることは可能だと思います。特に今の仕事に壁を感じている方や、最近会社で研修なども少なく、新しいことをあまり学んでいない、というような方には一つの突破口になるかもしれません。
社会人は誰でも忙しく、18時半からの講義のために仕事を早く切り上げる、というのは現実にはかなり難しいケースも多いと思います。しかしいろいろなバックグランドを持ったビジネスパーソンと共に切磋琢磨して学べることは非常に多く、そのこと自体、とても意義のあることだと思います。また、この金融市場の知識と理解は、将来経営者や管理職として正しい経営判断、意思決定をしていく上で不可欠な要素だと思います。迷っている方は是非思い切ってチャレンジを!
(御子柴 高視)

メルマガ
登録

メルマガ
登録