私をつくった一冊
2022年06月14日
伊藤 良二(株式会社プラネットプラン 代表取締役)
慶應MCCにご登壇いただいている先生に、影響を受けた・大切にしている一冊をお伺いします。講師プロフィールとはちょっと違った角度から先生方をご紹介します。
1.私(先生)をつくった一冊をご紹介ください
2.どのような内容ですか?
経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーの“中興の祖”と言われているマービン・バウアー氏が「経営とは?」「戦略立案のプロセスは?」「優れた組織づくりとは?」「経営幹部の育て方は?」等、経営の本質について語った本です。
2002年に刊行された『Business The Ultimate Resource』はアダム・スミス、ドラッカー、ポーターらの著書と共に、「時代を超えて最も影響力あるビジネス書」の1冊に選定しています。
3.その本には、いつ、どのように出会いましたか?
私が米国のビジネススクールを卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社して2年目、サンフランシスコで開かれたグローバル研修に参加した時に、講師として来られていたバウアー氏に初めてお会いしました。セッションでの最初の質問が「君たちはクライアント(顧客)に対して、どのような価値を届けられるか?」という問いかけでしたが、それから本書で語られている内容の濃い講義を受けたことを印象深く覚えています。その後、本書が出版されました。
4.それは先生にとってどんな出会いでしたか?
本書の「経営の本質」の書き出しは、「意志あるところ道あり」というところから始まります。様々な経営者の方々の戦略作りのお手伝いをしてきた経験からいえば、経営とは、この一言に凝縮されているように強く感じています。
著者のバウアー氏は、もともとは法務の分野で経営者にアドバイスをしていた弁護士でしたが、経営の分野においても経営者への同様のプロフェショナルなアドバイスを提供したいと願ってコンサルティング業界に身を投じ、その夢を実現する過程で得た経験や知識がこの本に敷き詰められていると思います。
5.この本をおすすめするとしたら?
経営戦略、企画部門、新事業立ち上げなどで戦略構築や企画立案に携わり、将来の成長戦略や組織変革シナリオを描くことを求められている方や、子会社のマネジメントを含めてグループ経営に関わっている方、並びに管理部門で中期計画のとりまとめをされる方や戦略立案に必要な知識・スキル・センスを学びたい方には、経営戦略・組織戦略構築の全体像が分かり易くまとめられているのでお奨めです。
合わせてお奨めなのが、『企業戦略を考える』(浅羽茂・須藤実和著、日経文庫2013
年)です。豊富な企業事例を通して、企業の成長戦略立案に必要な考え方やフレームワーク並びにツールが紹介されており、実務に役立つ戦略書です。
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